延長戦に入ると、7点を先取したチームの勝利に
Gリーグは2022-23シーズンから『イラムエンディング』を採用する。これは既定のゲームクロック内でのスコアを競うことをやめ、目標スコアに先に到達したチームを勝者とするもの。Gリーグでは延長戦に入ると『イラムエンディング』が採用され、7点を先取したチームが勝つことになる。
NBAでは2020年のオールスターゲームの第4クォーターで『イラムエンディング』がテストされている。第3クォーター終了時点で、リードしているチームの得点に24を足したスコアが目標となった。この時は第3クォーターを終えてチーム・ヤニスが133-124でチーム・レブロンをリードしていたため、『133+24』である157得点に先に到達したチームの勝利となった。ちなみに『24』はコービー・ブライアントの番号で、リーグ全体で彼を追悼する意味が込められていた。
オールスターは遊びの要素が強すぎて勝負の面白味を欠いていたが、この『イラムエンディング』は選手たちの意欲に火をつけ、オールスターとは思えない『真剣勝負』を演出した。レブロン・ジェームズはこの時、「みんな半信半疑だったけれど、第4クォーターを戦って試合が終わった時には大興奮だったよ」と語っている。
GリーグはNBAの下部組織的な位置付けであるとともに、試験的なルールがたびたび導入されてきた。オフェンスリバウンド時の14秒ショットクロックのリセット、コーチチャレンジはGリーグでのテストを経てNBAにもたらされた。
延長戦で『イラムエンディング』が導入されれば、試合時間が不規則に、しかも大幅に伸びることがなくなり、試合の放送にとっても、帰りの足を心配しなければならない現地観戦のファンにとってもメリットは大きい。2020年のNBAオールスターでの採用は、クリス・ポールがリーグに提案したのがきっかけだったそうだ。オールスターで効果を挙げた『イラムエンディング』は、Gリーグでのテストを経て、いずれNBAでも採用されるかもしれない。