「日本の若い選手が見て、自分に続いてもらいたい」
グリズリーズの2ウェイ契約選手である渡邊雄太が、ついにNBA公式戦デビューを果たした。10月27日に行われたサンズとのホームゲームでアクティブリストに登録された渡邊は、ベンチから戦況を見守り続け、第4クォーター残り4分31秒に、ついにコートに立った。
グリズリーズがリードを25点(111-86)に広げると、ヘッドコーチのJB・ビッカースタッフはウェイン・セルデンに代えて渡邊を投入。渡邊は早速アグレッシブにディフェンシブ・リバウンドを2本奪取。攻めに転じては右ウイングの位置から1on1を仕掛け、フリースローを獲得。これを2本とも確実に決めて2得点を記録した。
ディロン・ブルックスからのパスをアリウープでフィニッシュできなかったものの、2得点2リバウンドは上々のデビューだ。
First ever @NBA action for #2WayPlayer @wacchi1013!@MemphisHustle ↔️ @memgrizz pic.twitter.com/CfvDwAcuhk
— NBA G League (@nbagleague) 2018年10月28日
渡邊は『Fox Sports Grizzlies』のインタビューに応じ、落ち着いた様子でこう答えた。
「コーチから名前を呼ばれた時はナーバスになりました。でも試合を楽しめました。ここまでは順調ですね。充実したキャンプを送れましたし、集中して取り組めています。チーム内でも競い合えていますし、Gリーグの開幕戦も楽しみです」
デビュー戦の感想、今の喜びを誰に伝えたいかを聞かれた渡邊は「試合前はさほど緊張はしませんでした。ですが、ここまでナーバスに感じたのは初めてでした。ただ、コートに立ってからは落ち着いてやれました。チームメートも、コーチも自分に話しかけてくれて、感謝しています。たった4分でしたけれど楽しめました。まずは日本にいる家族に電話をしようと思っています。家族も興奮しているでしょうし、早く話したいですね」とコメント。奇しくもNBAデビュー戦の相手が、2004年に日本人史上初のNBA選手になった田臥勇太が所属したサンズになったが、渡邊は今後を見据え、これからも努力し続けることを固く誓った。
日本人史上2人目のNBA選手になったことについて、渡邊は「日本の若い選手にとってのパイオニアになろうと思っています」と答える。「日本人がNBAでプレーするのは難しいと言われていますが、僕は日本人でもこのレベルでやれることを証明したい。今日の試合を日本の若い選手が見て、自分に続いてもらいたいと思っています」
コメントにもあったように、今後はGリーグも開幕するため、メンフィス・ハッスルと行き来しながら再びチャンスを待つようになる。今後もNBA史に名前刻んだ渡邊の雄姿に期待したい。