復活したエースが28得点、得点力不足を解消
10月27日、川崎ブレイブサンダースが敵地で琉球ゴールデンキングスと激突。今シーズン初めて先発起用のニック・ファジーカスが28得点9リバウンドを挙げた川崎が75-72で競り勝ち、連敗を4で止めた。これで琉球は8勝2敗、川崎は5勝5敗で開幕1カ月を終えている。
この試合、川崎はシェーン・エドワーズに代えてファジーカスを、篠山竜青に代えて藤井祐眞を先発起用。第1クォーター、そのファジーカスが開始約5分でいきなり8得点とエンジン全開で16-8とリードを奪う。さらに第1戦では沈黙した辻直人もこのクォーターだけで2本の3ポイントシュートを成功させ、ファジーカス&辻のコンビで17点を挙げた川崎が23-16と先手を取る。
しかし、第2クォーターに入ると、琉球はジェフ・エアーズが3ポイントシュート、インサイドの両方で存在感を示して反撃。テンポ良く得点を重ねていくと、終了間際にジョシュ・スコットがシュートを沈め、琉球が39-44と逆転して前半を終える。
嫌な流れで前半を終えた川崎だが、ここでチームを救ったのはファジーカスだった。第3クォーター残り約5分半に49-49の同点となる3ポイントシュートを沈めるなど、このクォーターで計12得点の大暴れ。エースの活躍により、川崎は第3クォーターで24-9と琉球を圧倒する。
第4クォーター、このまま逃げ切りたい川崎に対し、琉球はホームの大声援を受けて反撃を開始。残り約8分から古川孝敏の3ポイントシュートなど8連続得点で2点差に迫ると、残り約5分に並里成のジャンプシュートで67-67と追いつく。状況は完全に琉球ペースとなるが、ここで川崎は再びファジーカスの得点で勝ち越す。そして、残り1分に藤井のシュートで6点差とし、粘る琉球をなんとか振り切って、ようやくの連敗ストップとなった。
「今日は勝てましたけど、継続することが大事」
川崎の北卓也ヘッドコーチは「なんとか連敗を止めることができました。最初からエナジーを出しいいスタートが切れたのが、こういう結果になったのだと思います。やはりニックをスタートにして得点をコンスタントにとれたのが一番。ニックによってズレができることで、他の選手たちも思い切り良くシュートを打て、久々に3ポイントシュートも38%の成功率と決まりました。これで吹っ切れてくれればと思いますが、まずは勝ったことが一番です」と、ファジーカス先発起用の効果を語る。
ファジーカス先発のインパクトについて琉球の佐々宜央も認めざるを得ないものがあった。「ニックがスタートというところで、川崎さんはエナジーが非常に出ていて勢いづかせてしまいました。辻にも最初のシュートを決められて、乗せてしまいました」
また、北ヘッドコーチはこの試合でファジーカスを今シーズン初めて先発に起用し、2試合続けて30分以上プレーさせたこと。さらに篠山竜青に代えて藤井を先発した起用についてこう語る。「ニックは本当であれば30分以上は出したくないですが、やはり点が取れないので使いました。試合前の状態を見て判断しようと思っていて、良かったので先発に使いました。篠山を藤井に変えたのは、篠山のシュートの調子が上がってこないので展開が重くなっていた。一方で藤井の調子は良く、課題は得点が取れないことなので、得点を取れるユニットでスタートしようと思いました」
連敗を止めて一安心かと思いきや、北にそういった意識はない。「勝って安堵ということはありません。まだまだ課題が多い。今日は勝てましたけど、それを継続することが大事。今日はシュートが入りましたけど、入らなくても勝てる、粘り強いチームを作っていかないといけない」
「やはり追いつくことにはエネルギーを使ってしまう」
一方、連勝を逃した琉球の佐々ヘッドコーチは、「第3クォーターが反省点です。相手のゾーンに対し、オフェンスがうまくいかないことでディフェンスも崩れてしまいました。2回、劣勢を跳ね返しましたけど、やはり追いつくことにはエネルギーを使ってしまいます」と敗因を語る。
ただ、「出だしでリードを許した後、そこからよく盛り返して前半で5点をリードしました。第4クォーターでもよく盛り返して、途中に古川の3ポイントシュートが決まれば、ひっくり返せるというところまで行きました」と、収穫もあったと振り返る。
1勝1敗で終えたこの強豪対決だが、琉球は来週も敵地でアルバルク東京と難敵との試合が続く。一方の川崎は再びのアウェーゲームで、大阪エヴェッサ相手に貯金を狙っていきたいところだ。
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