ウォリアーズでともにアシスタントコーチを務めた2人
今シーズンも低迷が続くと予想されたレイカーズが、開幕から11試合を終えて6勝5敗と健闘している。若手の成長が好スタートを切れた要因の一つであることは間違いない。しかし、何よりも大きいのは、若き指揮官ルーク・ウォルトンの手腕だ。
36歳にして名門再建を託されたウォルトンは、若い選手たちと円滑な関係を築いているだけではなく、成績低迷によって自信を失った選手にチャレンジ精神を植え付けた。その最たる例が、ニック・ヤングだ。昨シーズンは浮気発覚などプライベートでも問題を抱え、キャリア最低の平均7.3得点に終わったヤングだが、今シーズンは開幕からチームの得点源として活躍。10試合に出場して平均14.7得点、3ポイントシュート成功率も昨シーズンの32.5%を上回る40.3%を記録している。
ウォルトンの人心掌握術について、ウォリアーズでともにアシスタントコーチを務め、現在はペリカンズで指揮を執るアルビン・ジェントリーが『Los Angels Daily News』にこう語っている。
「ルークは、ニックに自信を持つよう教え込んだ。そのおかげで、ニックは自分を取り戻すことができた。常に得点力のある選手だったからね。ルークが彼に自信を与えたことで、ニックは自由にプレーできるようになった」
ジェントリーは、ウォルトンのおおらかな性格も若い選手が多いレイカーズに好影響を与えていると言う。ウォリアーズのコーチ時代、ウォルトンが試合前にある『儀式』を必ず行っていたことも明かしている。
「試合が始まる6分くらい前になると、ルークは下着姿でロッカールームを闊歩するんだ」と、ジェントリーは笑顔で話した。
まさか今でもこの『儀式』をやっているとは思わないが、ウォルトンには選手からプレッシャーを取り除き、前向きな気持ちで試合に臨ませる才能があるようだ。