前半は追いかける時間が続く中、ベンチ出場の河村が流れを変える
インドネシアのジャカルタで開幕した『アジアカップ2022』。バスケットボール男子日本代表が、グループラウンドの初戦でカザフスタン代表と対戦した。
日本の先発は富樫勇樹、西田優大、渡邊雄太、吉井裕鷹、ルーク・エヴァンスの5人。ファーストプレーで渡邊がディフェンスリバウンドを取ると、そのまま自らボールプッシュし、ディフェンスを引き寄せて西田の3ポイントシュートをお膳立てする。その後も、日本は渡邊を中心にペイント内での守備をハードに行い、ブロックやリバウンドからのトランジションバスケを展開。しかし、走るバスケからの得点が多かった日本は、カザフスタンのゾーンディフェンスに手を焼き、一時は日本がリードしていたが追いかける展開に。
それでも、終盤にコートに戻った渡邊とベンチから出た河村勇輝がスピードを生かした速い展開に持ち込み再び日本が追いつくと、ラストプレーで河村がドライブから外にいる西田にキックアウト。その西田はブザーとともに3ポイントシュートを沈めて23-22で第1クォーターを終えた。
第2クォーターも冒頭からコートに立った河村が、積極的なペイントアタックから渡邊の3ポイントシュートや鋭いパスを渡邊に送りダンクをアシストする。しかし、第1クォーターと同様に守備のちょっとしたズレからカザフスタンに確率良く3ポイントシュートを許し、さらに相手の機動力に圧倒されセカンドチャンスポイントを与えたことで、45-48で前半を終えた。
後半もゾーンを敷くカザフスタンに対して、日本はボールをシェアして、富樫と西田の合わせやエヴァンスのミドルシュートで点差を詰める。さらに守備の強度を上げた日本は、富樫がバックコートでスティールし、そのまま3ポイントシュートを沈めると、続くポゼッションでも再び3ポイントシュートを決め、開始約4分で55-52と逆転する。その後、カザフスタンに得点を許し拮抗したが、ここで再びコートに送り出された河村が存在感を発揮する。オフェンスでは果敢にペイントアタックし、ディフェンスでもボールへの執着心で上回り、スティールからの速攻で富永啓生の3ポイントシュートをお膳立て。さらに河村は、残り3分を切って2本連続でスティールからの速攻を自ら決めるなど、ディフェンスで違いを生んだ。そして、ここまでシュートタッチに苦しんでいた富永も連続で3ポイントシュートを沈め、第3クォーターを29-11と圧倒した。
74-59で迎えた第4クォーター、渡邊と河村が中心となって日本を牽引する。渡邊はディフェンスでリムプロテクターとしてボールを奪うと、すぐに河村がボールプッシュして渡邊とのツーメンゲームで得点へ繋げる。その後も日本はリードを広げ、最終スコア100-68で初戦を制した。
渡邊がゲームハイの21得点と8リバウンド4アシスト3ブロックを記録。河村は13分9秒の出場ながらフィールドゴール成功率100%で8得点8アシスト3リバウンド2スティールを挙げ、出場時の得失点差を表すプラスマイナスはゲームハイとなる+26を叩き出した。他にもエヴァンスが17得点9リバウンド2スティール、富永が3ポイントシュート10本中3本成功を含む13得点4リバウンド3スティールを記録している。