指揮官「オフェンスがうまく行かないからと無理なシュートを打ってしまう」
チャンピオンシップ最後の出場枠の獲得を目指すシーホース三河が、5月7日にホームで川崎ブレイブサンダースと対戦したが59-85と大敗を喫した。しかし、出場を争っているサンロッカーズ渋谷も敗れたことで、ワイルドカード下位の座をキープしている。
この試合、三河は第1クォーターでいきなり11-28と大きく出遅れるが、第2クォーターに盛り返し、点差を1桁にまで縮める。だが、第3クォーターで再びディフェンスが崩壊し、13-30と川崎にビッグクォーターを作られ完敗を喫した。
悪夢の第3クォーターを三河の鈴木貴美一ヘッドコーチは「オフェンスがうまく行かないからと無理なシュートを打ってしまう。そこから相手に思うような速攻を出され、3ポイントシュートを決められてしまいました」と振り返る。
指揮官が言及したように、この日の三河は外から積極的に打っていったが3ポイントシュート27本中6本成功と不発。その結果、相手がディフェンスを収縮しゴール下で待ち固めている状況にもかかわらず、焦りからか個人で打開しようとする強引な攻めが目立ち、そこから相手に走られる自滅の側面が大きかった。それはオフェンスリバウンドを17本も取りながら、セカンドチャンスポイントになかなか繋げられなかった点にも現れている。
また、大きく突き放された第1クォーターと第3クォーターでは、それぞれ川崎にオフェンスリバウンドを多く取られて失点を重ねたことも痛かった。この点も踏まえ、シェーファー・アヴィ幸樹は、次のように問題点を語る。「完全にずっと相手のリズム、ペースで進みました。川崎はサイズがあるので、ウチとしては走ることを意識していました。ただ、その思いが強すぎてリバウンドへの意識が薄れてしまった。スイッチディフェンスを行なった時、ミスマッチができてそこをカバーしきれずにリバウンドを取られてしまったところがありました」
「本当に何がなんでも勝たないといけない。そこに尽きると思います」
個人としてもチームとしても、やるべきことをやりきれず消化不良な敗北となったが、幸運にも「やることは一緒で状況は変わらないです」とシェーファーが言うように、三河は本日のレギュラーシーズン最終戦を勝つことで他チームの結果に関係なくチャンピオンシップへの切符をつかめる。
この大一番へ向け、あらためて重要性を強調するのは個ではなく、いかにチームとしてプレーできるかだ。「個人で戦って、自分のプレーでチームを勝たせようとするのではなく、それぞれの役割を全うする。それをコートにいる5人全員でやってチームとして戦うことです」
今日の試合、三河にとっては勝って来週末にチャンピオンシップで沖縄へ乗り込むのか、負けてシーズンが終わるのか、文字通り運命の別れ道となる。「本当に何がなんでも勝たないといけない。そこに尽きると思います。レギュラーシーズンの一つの試合ではなく、チャンピオンシップと同じ気持ちです」とシェーファーは決意を語る。
三河が持ち味であるスピードに乗ったウイング陣のトランジションを繰り出すには、大前提としてしっかりリバウンドを取らないといけない。そのためにはシェーファーのゴール下における身体を張ったハードワークも大きな鍵となってくる。