三好と篠崎が現役ラストゲームで大活躍
先日、2021-22シーズンの幕を閉じたWリーグは、5月4日、5日に代々木第二体育館で2年ぶりの開催となるWリーグオールスターを行った。
1日目は、今シーズンのルーキーやリーグ2年目で20歳以下の選手が出場する『フレッシュ☆オールスター』、東京オリンピックで活躍した3人制バスケ3×3女子日本代表チームとオールスターゲームに出場する選手で構成されたWリーグオールスターズによる『3×3 ベストオブベスト オールスターマッチ』、そしてコロナ禍(2019-20、2020-21シーズン)に現役引退した選手たちによる『LAST GAME』が行われた。
2日目には『スキルズチャレンジコンテスト』、『3ポイントコンテスト』、『オールスターゲーム』が開催された。『スキルズチャレンジコンテスト』には、かつて3連覇を果たした本川紗奈生や2018-19シーズン大会優勝の宮崎早織、篠崎澪、東藤なな子、平末明日香、永田萌絵、馬瓜エブリン、小池遥、本橋菜子の9選手が出場。パスや3ポイントシュート、ジグザクドリブルなど様々な障害をクリアしていくタイムトライアル方式でのコンテストとなる。
先陣を切ったエブリンは最初のパスを一発で決め、3ポイントシュートも2本目で成功させて、タイムは33秒に。ガード陣が揃う中、一人センターとして出場したエブリンは「これが今のセンターです」と手応えを語る。2番手の小池は「エブリンは抜かしたい」と意気込んでスタートしたが、3ポイントシュートがなかなか当たらず、1分9秒という結果に。その後の永田、東藤もエブリンの記録を抜くことができず。
そして、前回大会のスキルズチャレンジコンテストで最下位に終わった本橋が登場。本橋は「目標タイムは30秒。前回は最下位だったけど、思ったよりみんな遅くて安心しました」と会場を沸かすと、最初のパスを一発でクリアし、続く3ポイントシュートとロブパスは2本目でクリアして、29秒56というタイムを叩き出した。その後、平末、篠崎と本橋のタイムを抜くことができず。そして、3度の優勝を誇る本川が7番目に登場。本川は最初のパスと3ポイントシュートを2本目で、最後のロブパスは一発で成功させて、ラストのジグザクドリブルでは持ち前のスピードを生かして、本橋に0.08秒上回る29秒48でゴールし、自身4度目となる優勝を果たした。
スキルズチャレンジコンテスト結果
1位 本川紗奈生(デンソー)29秒48
2位 本橋菜子(東京羽田)29秒56
3位 馬瓜エブリン(トヨタ自動車)33秒90
4位 平末明日香(トヨタ紡織)34秒06
5位 東藤なな子(トヨタ紡織)41秒95
6位 宮崎早織(ENEOS)52秒67
7位 篠崎澪(富士通)59秒08
8位 小池遥(シャンソン)1分9秒77
9位 永田萌絵(トヨタ自動車)1分20秒99
スキルズチャレンジは本川が4度目の優勝、3ポイントコンテストは山本が初優勝
続いて行われた『3ポイントコンテスト』には、前回大会優勝の三好南穂やプレーオフMVPに輝いた山本麻衣、長岡萌映子、奥山理々嘉、吉田舞衣、赤穂ひまわり、宮澤夕貴、オコエ桃仁花、北村悠貴の9選手が出場。このコンテストは3ポイントラインに沿って置かれた5カ所のシューティングスポットから計25球を制限時間1分でどれだけ決められるかを競うもの。通常のボールは1点だが、25球のうち5つのマネーボールは2点となっている。
注目を集めたのは前回大会優勝者であり、今シーズンの3ポイントシュート王でもある三好だ。三好はスタート前に「前回王者なんですよね。今シーズンの3ポイント王なんですよね。で、今日で引退なので優勝で終えたいと思います!」と自らプレッシャーをかけて挑んだ結果、9点で終了し「中途半端な感じですいません」と、結果は伴わなかったが会場を盛り上げた。
そして、山本と宮澤がともに12点で1位タイとなったため、王者はサドンデスで決めることに。最初に挑んだ山本がラスト5球をすべて決めて15点を記録。宮澤も後半で追い上げを見せたが10点に終わり、山本が優勝した。
3ポイントコンテスト結果
1位 山本麻衣(トヨタ自動車)12点/ 15点
2位 宮澤夕貴(富士通)12点/ 10点
3位 奥山理々嘉(ENEOS)11点
3位 赤穂ひまわり(デンソー)11点
5位 オコエ桃仁花(富士通)10点
6位 三好南穂(トヨタ自動車)9点
7位 吉田舞衣(シャンソン)8点
7位 北村悠貴(日立ハイテク)8点
9位 長岡萌映子(トヨタ自動車)5点
1ポゼッションを争う白熱したゲームに
最後のイベントとなったオールスターゲーム。今大会は『Team原宿』と『Team渋谷』に分かれて行われた。
Wリーグオールスターゲームの見どころと言えば、タイムアウト中の選手たちによるパフォーマンスだ。Team渋谷は第1クォーター終盤のタイムアウトで選手たちが赤ちゃんに扮し、哺乳瓶での水分補給を行えば、第2クォーターには宴会でよく見られる『ストッキング相撲』を実施。後半開始時にはモップとバスケットボールを使った『カーリング』を行うなど、会場を盛り上げた。
試合は58-58で最終クォーターを迎えると、その後も一進一退の攻防が続いた。残り1分を切って三好が3ポイントシュートを沈めれば、続くポゼッションで篠崎が3ポイントシュートを決め返すなど白熱した展開に。そして、81-79とTeam原宿リードで迎えたラスト2.8秒。Team渋谷の渡嘉敷が長岡との高さのミスマッチをついてジャンプシュートを残り0.5秒で決め切り81-81とし、まさかの延長戦へ突入。
延長戦ではTeam原宿がゾーンを敷くTeam渋谷に対し、宮澤の3ポイントシュートに長岡のジャンプシュートで立ち上がりを5-0としてリードする。そして、三好が篠崎との1on1からドライブを決める『ガチモード』に会場は大盛り上がり。最終スコア92-86でTeam原宿が勝利した。
MVPには3ポイントシュート6本成功を含むゲームハイの20得点を挙げたチーム原宿の三好が選出された。三好は「チームメートがボールを託してくれたので、たくさん打つことができました」と振り返り、「オーバータイムでさらに5分間、皆さんの前で長くプレーすることができて良かったです」と語った。
試合終盤に見せた篠崎との本気の1on1については「すごく楽しかったです。最後は本気で1対1をしようということで、ずっとライバルチームとして戦ってきたので、本気でできて楽しかったです」と語る。
そして、大会のMIPには11得点8アシストの活躍を見せたTeam渋谷の篠崎が選ばれた。篠崎も先日、現役引退を発表していて、このオールスターが最後の試合となった。篠崎は「本当に最後なんだなという実感を持ちながら、最高の仲間たちと一緒にプレーすることができて本当に楽しかったです」と振り返った。
最後に今まで応援してくれたファンへのコメントを求められると「8年間本当にたくさん応援していただいて……」と涙で言葉を詰まらせながら、「今日もこんなに大勢の皆さんの前でプレーできて、本当にうれしく思います。8年間本当にありがとうございました」と感謝を語った。
Team原宿
・ファン投票
PG 町田瑠唯(富士通)※不参加
SG 東藤なな子(トヨタ紡織)
SF 宮澤夕貴(富士通)
SG 三好南穂(トヨタ自動車)
PF 馬瓜エブリン(トヨタ自動車)キャプテン
・リーグ推薦
PF 長岡萌映子(トヨタ自動車)
SF 本川紗奈生(デンソー)
PF オコエ桃仁花(富士通)
C 西岡里紗(三菱電機)
SF 加藤優希(トヨタ紡織)
PF 谷村里佳(日立ハイテク)
PG 藤岡麻菜美(シャンソン)
PG 軸丸ひかる(東京羽田)
SG 遠藤桐(アイシン)
SF 永田萌絵(トヨタ自動車)
PF 田中真美子(富士通)
・Twitter 投票
SF 奥田花(東京羽田)
[ヘッドコーチ]内海知秀(日立ハイテク)
Team渋谷
・ファン投票
C 髙田真希(デンソー)キャプテン
SG 篠崎澪(富士通)
SF 赤穂ひまわり(デンソー)
SG 林咲希(ENEOS)※不参加
PG 宮崎早織(ENEOS)
・リーグ推薦
PG 山本麻衣(トヨタ自動車)
PF 馬瓜ステファニー(トヨタ自動車)
PF 渡嘉敷来夢(ENEOS)
SG 渡邉亜弥(三菱電機)
SG 北村悠貴(日立ハイテク)
PG 小池遥(シャンソン)
PG 本橋菜子(東京羽田)
SF 水野菜穂(山梨QB)
PG 宮坂桃菜(新潟)
PG 平松飛鳥(アランマーレ秋田)
SF 奥山理々嘉(ENEOS)
SF ?田舞衣(シャンソン)
・Twitter投票
PG 平末明日香(トヨタ紡織)
[ヘッドコーチ]鵜澤潤(シャンソン) ※李玉慈から変更