ベンチポイントでもヒートが52-19と圧倒
現地5月4日に行われたプレーオフ東カンファレンスセミファイナル、ヒートvsセブンティシクサーズの第2戦は、同点で迎えた第1クォーター残り2分を9-2としてリードを奪ったヒートが、そのまま試合を優位に進めて119-103で勝利し、シリーズを2戦2勝とした。
立ち上がりこそ一進一退の攻防となったが、ヒートはジミー・バトラーが第1クォーターだけで5アシストをマークしたように冷静にボールを配給し、ヒートにリズムを与えた。22-22と同点で迎えた第1クォーター残り2分、バトラーとのピック&ロールからドウェイン・デッドモンのレイアップが決まると、今度はバトラーのアシストからタイラー・ヒーローの3ポイントシュート、さらにオフェンスリバウンドを取ったバトラーが冷静にディフェンスを見つつ、センターにカットインしてきたデッドモンのダンクをお膳立てするなど、バトラーの3連続アシストから生まれた得点によりヒートが抜け出し、31-24で第1クォーターを終えた。前半だけでヒーローが16得点、バム・アデバヨが11得点、バトラーが8得点7アシストでチームを牽引し、その後もヒートのペースで試合が進んだ。
大黒柱のジェル・エンビードがいないシクサーズは、キャリア2年目のタイリース・マクシーが積極的なアタックを見せて第3クォーターだけで12得点を固めて点差を詰めようとしたが、ベンチポイントでヒートが52-19と圧倒したように、ヒートは出てくる選手それぞれが役割を全うすることで主導権をシクサーズに渡さなかった。また、ジェームズ・ハーデンに20得点を許したものの、得意の3ポイントシュートは5本中1本成功に留めるなど、ヒートの固いディフェンスも目立った試合となった。
ヒートはアデバヨが23得点9リバウンド3アシスト、バトラーが22得点12アシストのダブル・ダブルに加えて6リバウンド2スティール、ベンチから出場したビクター・オラディポが19得点6リバウンド、ヒーローが18得点7リバウンドを記録して勝利に貢献した。
バトラーは試合後、「勝つのはいつでもうれしいものさ。でも、僕たちはただホームでやるべきことをやっただけだ」と、ホーム2連戦を振り返った。そして、このシリーズ開幕前にも元チームメートであるエンビードに対して「順調に回復して、できるならすぐに復帰してもらいたい」とエールを送っていたが、この日の試合後もバトラーは「僕は彼と競争したい。本当にそう思っているんだ」とエンビードの復帰を心待ちにしていると語った。
ヒートはこれでシリーズを2勝0敗として、敵地での第3戦、第4戦に挑む。指揮官のエリック・スポールストラは「プレーオフで勝利をつかむのは簡単なことではない」と、引き続き気を引き締めた。
一方、シクサーズはマクシーが34得点、トバイアス・ハリスが21得点、ハーデンが20得点を挙げたが、チームで3ポイントシュート30本中8本成功(成功率26.7%)と調子が上がらず、0勝2敗と苦しい状況となった。指揮官のドック・リバースは「今、ウチにはビッグマンがいない」と嘆き、眼窩骨折と軽い脳震盪により欠場しているエンビードの現状について「戻ってくるには、いくつかのステップをクリアしなければいけないんだが、彼はまだどれもクリアできていない状況だと思う」と、現地6日にフィラデルフィアで行われる第3戦の出場は楽観視できないと明かした。