可能性が広がる3人制バスケ『3x3』、待ったなしでやって来る2020年の挑戦

2018/10/13
日本代表
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3x3

文=泉誠一 写真=FIBA.com

国別3x3ランキングは男子3位、女子11位の好成績

東京オリンピックまであと650日(10月13日現在)。ワールドカップ予選で巻き返しを図る5人制もさることながら、3人制の『3x3』も活気づいている。先週末に行われたU-23世代による3x3ワールドカップでは、女子日本代表が世界2位となって銀メダルを獲得した。その大会で男子は予選敗退したが、3x3の歴史を切り拓いてきたパイオニアである鈴木慶太、落合知也、野呂竜比人、小松昌弘は世界各国で行われている3x3大会に精力的に参戦し、結果を出している。

今年5月、深セン(中国)で行われた3x3アジアカップでの銅メダルを皮切りに、9月にはアルマトイ(カザフスタン)へ飛び、アジア・クエスト・ファイナルで優勝に輝いた。10月13日からペナン島(マレーシア)で行われる3x3ワールドツアーにはこの4人を擁するTEAM TOKYOとともに、渡邉拓馬(現アルバルク東京アシスタントGM)や小寺裕介(元金沢武士団など)らTEAM TACHIKAWAも出場し、さらなる世界に挑む。

彼らの活躍もあり、国別3x3ランキングで日本は男子3位、女子11位(10月12日現在)と好成績を収めている。個人ランキングでは落合が89位で唯一、トップ100位以内にランクイン。女子はU23ワールドカップで銀メダルを獲得した山本麻衣(トヨタ自動車アンテロープス)がいきなり69位、栗林未和(富士通レッドウェーブ)が74位と続く。二足の草鞋を履いて出場したWリーグ選手たちの活躍により、女子も一気に世界との差を縮めている。

3x3 U-23女子日本代表

選手自ら立ち上げた『3W』は今週末渋谷で開催

BリーグやWリーグを退き、東京オリンピックへ向けて3x3に専念する選手もいる。先駆者の落合に続き、信州ブレイブウォリアーズを引退した齊藤洋介も3x3に主戦場を変えた。1997年から20年に渡ってWリーグで活躍し、女子日本代表としてアテネオリンピックにも出場した矢野良子は、3x3がオリンピック種目に決まった2017年に引退を表明。アスリートとしての炎は消えておらず、3x3に転向して再びオリンピック出場を狙っている。

その矢野は選手でありながら、強化と普及を担う『3W』(トリプルダブル)という女子3x3リーグを自ら資金を集めて立ち上げた。9月29日にすでに開幕しており、次戦は今週末の10月14日(日)に渋谷ストリームで開催される。また、3x3.EXEは11月より5カ月に及ぶオープントーナメントの開催を発表した。裾野を広げながら、オリンピックを目指す選手たちにとっては実戦を通じて強化できる場が少しずつ整備されつつある。

3x3

3人制も5人制も行き来可能、どちらも同じバスケ

コートのサイズや若干のルールの違いこそあれ、3人制も5人制も同じバスケであり、どちらの種目も行き来が可能である。アジア競技大会では馬瓜ステファニー(トヨタ自動車アンテロープス)が5人制と3人制の両方に出場し、世界初となる一つの大会で両方のメダルを獲得した選手になった。女子の躍進を見れば、今後のBリーガーの本格参戦にも期待が高まる。

オフシーズン中、岡田優介(京都ハンナリーズ)や高島一貴(横浜ビー・コルセアーズ)など3x3にかかわるBリーガーは少なくない。36チームに拡大した3x3.EXE PREMIERの中には栃木ブレックスのみだが、Bリーグクラブも存在する。しかし、3x3のコートに立つBリーガーを見ていて、各クラブのリソースをわざわざ他団体に流出するのはもったいないとも感じていた。

3x3日本代表コーチである長谷川誠や大神雄子は、5人制の強化につながることを訴えている。オフシーズンの間にトップリーグが率先して3x3に注力することで、若手選手の強化、育成の場として活用できないものか。また、3x3に専念するOBやOGを辞めさせることなく転向させられる。営業面では新シーズンまでをつなぐ普及、PRの場にもなるなど、利点も多い。もちろんケガの心配はついて回るが、監視の目が届きにくい他団体に出場させるより自分たちで管理できる分、そのリスクも軽減できる。

待ったなしでやってくる2年後に備え、BリーグやWリーグから3人制でもオリンピアンを輩出したいという思いはないのだろうか。ワールドカップ出場にまだまだ黄信号が点り続けている男子こそ、5人制でオリンピックに出られなければ、東京開催にもかかわらずBリーグからオリンピアンが輩出できない状況にだって陥りかねない。バスケを生業にするプロやトップリーグだからこそ、もっと欲張って良いはずだ。