Bリーグ

3PTの雨を降らせよ、2試合で11本の3PTを決めた岸本隆一

琉球ゴールデンキングスは西地区3位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズをホームに迎えた。岸本隆一はこの上位対決の2日間で11本(成功率68%)と圧巻のパフォーマンスを見せてくれた。

24得点を記録したGAME1のスタッツはこちら。
プレータイム(MP)21
得点(PTS)24
3ポイント成功数(3FGM)5
3ポイント成功率(3FG%)75%
フィールドゴール成功数(FGM)9
フィールドゴール成功率(FG%)75%
フリースロー成功数(FTM)なし
フリースロー成功率(FT%)なし
オフェンスリバウンド(OR)0
リバウンド数(TR)2
アシスト(AST)3
スティール(STL)0
ブロック(BLK)0

強烈なスタートダッシュを決めた第1クォーターを見ていこう。最初のオフェンス、ボールを運びながら今村佳太にパスを出したのちに左コーナーへポジショニング。マークマンの齋藤拓実がピック&ロールに備え早い段階でゴール下にヘルプポジションに入ったところを見逃さずオープンスリーを決める。続いてはハンドラーとしてドウェイン・エバンスとのピック&ロールからコティ・クラークとのスイッチを引き出し、スイッチバックしたいクラークと、ポストディフェンスに入った斎藤とのコミュニケーションミスが発生した隙を見逃さず、トップから3PTを射抜き、名古屋のタイムアウトを誘発した。

注目は残り5分14秒のベースラインアウトオブバウンズプレー。このタイミングで2−3ゾーンディフェンスに変更した名古屋に対し、本来今村がインバウンダーの想定であったが、岸本へ変更。ジャック・クーリーがエバンスへパスを出すように指示し、その通りにパスを出した瞬間に、コーナーのクラークに対してクーリーが動きを封じるスクリーン。ハンドラー(エバンス)に集中する斎藤、スクリーンで動けないクラークの間を通り右のウィングへ駆け抜けると、3本目のワイドオープンスリーを見舞った。これらは全てディフェンスに応じてオンコーのト5人が柔軟に対応した結果生まれたショットであった。

岸本は高い確率でドラフトされている選手であるが、もしFAにいるリーグであるならば、4月に入り3PTを46%の成功率で決めているシューターを是が非でも獲得するべきであろう。

2試合で57得点!リバウンドランキングも4位に入るショーン・ロング

レバンガ北海道のショーン・ロングは滋賀レイクスターズとの2連戦において、合計57得点28リバウンド4アシスト2スティール3ブロックの大活躍でチームに4カ月ぶりの連勝をもたらした。

GAME1のスタッツはこちら。
プレータイム(MP)32
得点(PTS)38
3ポイント成功数(3FGM)0
3ポイント成功率(3FG%)0%
フィールドゴール成功数(FGM)15
フィールドゴール成功率(FG%)75%
フリースロー成功数(FTM)8
フリースロー成功率(FT%)61.5%
オフェンスリバウンド(OR)4
リバウンド数(TR)16
アシスト(AST)0
スティール(STL)1
ブロック(BLK)1
アシストとターンオーバーの比率(A/TOV)0.00

7分16秒の出場で11得点7リバウンドというパフォーマンスを見せた第2クォーターを見ていこう。マッチアップが川真田紘也であったため積極的にロングのポストアップを狙う北海道。ハンドオフをキャンセルする技ありのフェイクから2PTジャンパーを決めると、滋賀はマッチアップするDFをショーン・オマラへ変更。

ポストアップから一度ボールを回し、オマラが離れた瞬間に背後を取りオフェンスリバウンドからスコアすると、ディフェンスリバウンドからそのまま持ち込み2度のバックターンでキーファー・ラベナ、オマラの2選手をかわしてフックショットを決める。開始3分で自身の得点により6-0のランで逆転に成功し、滋賀のタイムアウトを引き出した。タイムアウト後はポストアップではなくトップからの1on1に変更。滋賀は柏倉哲平、ラベナがそれぞれウィングとコーナーのマークを捨ててヘルプDFに入ったがロングは意に介さず突破し、8点目を決めた。

得点能力にばかり注目されがちだが、リバウンドランキングも4に入っているためB.LEAGUELIVE#2021においても一人でゲームを支配できる強さがある。この選手を持つプレーヤーと対戦する際には、リバウンドを獲れる選手を獲得して相対することをおすすめする。

プレータイム向上に向けてアピール完了!ソウ・シェリフ

7年目を迎えるセネガル出身の日本国籍選手、越谷アルファーズのソウ・シェリフは、アースフレンズ東京Zとの第1戦で約一月振りに20分を超えるプレータイムを得た。21分の出場で20得点11リバウンドと高いプレー効率を見せたGAME1を振り返っていこう。

GAME1のスタッツはこちら
プレータイム(MP)21
得点(PTS)20
3ポイント成功数(3FGM)なし
3ポイント成功率(3FG%)なし
フィールドゴール成功数(FGM)7
フィールドゴール成功率(FG%)77.8%
フリースロー成功数(FTM)6
フリースロー成功率(FT%)54.5%
オフェンスリバウンド(OR)6
リバウンド数(TR)11
アシスト(AST)1
スティール(STL)0
ブロック(BLK)0
アシストとターンオーバーの比率(A/TOV)1.0

フリースローを9本獲得し。4分35秒で9得点3リバウンドを稼いだ第3クォーターを分析する。ハイポストからスクリーンを使いカールしながらゴールへ向かうと完璧なロブパスが入りフリースローを獲得。後にトランジションからAnd1ダンクを叩き込むと、2−3ゾーンを展開し始めた東京Zに対して、ハイポストから難なくスコア。次のポゼッションでは、2−3ゾーンの泣きどころであるダンカースポットにポジショニングすると、長谷川智也からロブパスを受けフリースローを獲得。その後はまたしてもトランジションから、そしてオフェンスリバウンドからフリースローを獲得するなど効率性の高いプレーを見せた。

シェリフは平均13.0分出場で5.0得点だが、20分以上出場できた試合は平均14.5得点と3倍のスタッツを残している。しっかり数字を残す帰化選手やアジア枠選手は意外に少なく、12人リーグでは全員に行き渡ることはほとんどない。B1昇格プレーオフ出場が決まった越谷は、タイムシェアを行う可能性が高く、よってプレータイムをもらえれば結果を出すシェリフに今後注目である。

チームハイを叩き出したルーキー!駒沢颯

平均12.0得点を挙げており、個人的にとても注目しているのが青森ワッツのルーキー、駒沢颯だ。B2全体1位のファイティングイーグルス名古屋を相手に、臆することなく2日間合計32得点8アシストを稼ぎ出し、6試合連続2桁得点と波に乗っている。

GAME1のスタッツはこちら
プレータイム(MP)27
得点(PTS)19
3ポイント成功数(3FGM)4
3ポイント成功率(3FG%)80%
フィールドゴール成功数(FGM)6
フィールドゴール成功率(FG%)66.7%
フリースロー成功数(FTM)3
フリースロー成功率(FT%)75%
オフェンスリバウンド(OR)0
リバウンド数(TR)1
アシスト(AST)8
スティール(STL)2
ブロック(BLK)0
アシストとターンオーバーの比率(A/TOV)2.6

11得点と最高のスタートを切った第1クォーターに注目していこう。まずは1stポゼッションから。ハンドオフを受けた駒沢はレナルド・ディクソンとのピック&ロールでスイッチを引き出すと、下山大地とのヒットバック(サッカーのワンツーのようにパスを交換しドライブ1歩目でビッグマンを抜こうとするアクション)からプルアップ3を決めると、3PTファウルを受け3ショットを決めて6得点。ピック&ロールからプルアップディープ3を決めて難なく9得点を挙げると、またしてもピック&ロールからミッドレンジジャンパーを決め11得点を挙げた。

特筆すべきは、セットで作り上げたシュートではなく、ルーキーでありながら全て自身でクリエイトしているところであろう。2桁得点できるポイントガードはリーグ的にも貴重であることから、B.LEAGUELIVE#2021だけでなく来シーズンが楽しみな選手である。

そのほかにも、あわやトリプルダブルの活躍を見せたジョーダン・ハミルトン(熊本ヴォルターズ)。GAME2で17アシストという脅威の記録を残した河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)も注目だ。