ピリッとしない展開を救ったハッスルプレー
レバンガ北海道がホームの北海きたえーるに大阪エヴェッサを迎えた開幕節の第2戦。一度つかんだ流れを逃さず、怒涛の攻撃でリードを広げた北海道が、70-53で今シーズン初勝利を挙げた。
大阪はエグゼビア・ギブソンが昨日の第1戦で右母指末節骨骨折のケガを負い、第2戦を欠場。外国籍選手が2人しかいない大阪にとっては大きなディスアドバンテージとなった。それでもギブソンに代わって先発を務めたファイ・パプ月瑠がインサイドで踏ん張り、第1クォーターで5得点を記録し互角の展開に持ち込んだ。
大阪の1点ビハインドで迎えた第2クォーター序盤、畠山俊樹がバスケット・カウントを誘発。さらにファウルコールを受けた市岡ショーンが、ボールをゴールの支柱に当て悔しさを表現し、その行為がテクニカルファウルの対象となった。ボーナススローを2投成功させた4点プレーにより、大阪が逆転。その後、北海道はアグレッシブなプレーが裏目となり、関野剛平のファウルで、残り約7分と長い時間を残してチームファウルが4に到達してしまう。
だが、このピンチがチームの集中力を高めることになった。直後、吹っ切れた関野の強気な3ポイントシュートで逆転すると、マーク・トラソリーニの3点プレーとなるバスケット・カウント。さらにトラソリーニのブロックショットから走った関野の速攻で一気に11点のリードを奪った。
北海道が33-29と4点をリードし迎えた後半、デイビッド・ドブラスがハッスルプレーでチームに勢いを与える。ドブラスはオフェンスリバウンド争いから自軍ベンチに飛び込み、マイボールにすることに成功。飛び込んだドブラスを指揮官が抱きかかえるシーンに会場は湧き、北海道の怒涛の攻撃が始まる。ドブラスは直後もオフェンスリバウンドを獲得し、チームにポゼッションをもたらすと、残り7分22秒にはジョシュ・ハレルソンから3つ目のファウルを誘発した。
大阪に立ちはだかった大黒柱トラソリーニ
ギブソンを欠く大阪にとってハレルソンのファウルトラブルは痛恨の出来事。大阪はタイムアウトを取り流れを変えようとするが、ここを勝機と見た北海道は止まらない。タイムアウト明けのディフェンスで起点を作らせずにターンオーバーを誘発し、逆に速攻を成功させた。その後もセカンドチャンスから野口大介が3ポイントシュートを沈め、松島良豪のスティールから桜井良太の速攻が飛び出すなど、16点までリードを広げた。
迎えた最終クォーター、劣勢の大阪が意地を見せる。ドライブで突破されても中を絞り、合わせのパスを狙ってターンオーバーを誘発するなどディフェンスからリズムをつかむ。点差を1桁に縮めた大阪に勢いがあったが、大黒柱のトラソリーニが悪い流れを断ち切る。タイム明け後のオフェンスでノーマークを作り、3ポイントシュートを沈め再び点差を2桁に乗せると、その後もショットクロックギリギリから放ったタフショットをねじ込み、チームを救った。
トラソリーニの活躍で落ち着きを取り戻した北海道は、俄然動きが良くなり堅守を披露。オフィシャルタイムアウト後のラスト約5分間、大阪の攻撃をわずか2得点に封じ込め、うれしい今シーズン初勝利を手にした。
「ディフェンスの勝利」でうれしい1勝
勝利した北海道のヘッドコーチ、ジョゼ・ネトは「今日の試合はオフェンスのコントロールをしっかりすることと、まずはディフェンスからしっかりやっていくことを伝えました。そういう意味ではディフェンスの勝利だと思っていますし、チームとして勝利することができるという証明をすぐに示すことができたことは貴重でした」と試合を振り返った。
ゲームハイの25得点を挙げたトラソリーニは「今日は内容も良く、ホームでシーズン初勝利できたことをうれしく思います。やはり、このチームはディフェンスがカギで、相手をロースコアに抑えて、勝っていくチームであることを証明できたと思います」と指揮官と同様にディフェンスを勝因に挙げた。
チームに勢いを与える時間帯を牽引した関野も「昨日は自分の調子が悪く、チームに迷惑をかけて負けてしまいました。チームとしても絶対負けられないという中で、今日は気持ちで勝てた試合だったと思います。ディフェンス面でも相手を53点に抑えられたのは良かったですが、もっと改善できると思っています」と今日の勝利を喜びつつ、さらなる向上を見据えた。
敗れた大阪はハレルソンが15得点、パプが11得点を挙げるが、他の選手の得点が伸び悩んだ。ギブソンの早期復帰を願わずにはいられないが、外国籍選手頼みになるのではなく、チーム全員のステップアップが必要となる。開幕2戦目にして大阪は早くも正念場を迎えた。
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