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ヘッドコーチ同士の、試合展開に応じた駆け引きが重要に

プレーイン圏内の10位までが勝率5割を上回るハイレベルな戦いを繰り広げている東カンファレンスですが、各チームが極端なラインナップを用いて個性的な戦い方をしているのも特徴になっています。プレーイン、プレーオフと対戦カードによっての相性が強く影響しそうで、自分たちの特徴を出すか、相手の特徴を消しに行くか、試合の中で駆け引きが強く出てきそうです。

バックスはヤニス・アデトクンポ、ブルック・ロペスに加えボビー・ポーティスを並べたビッグラインナップを取り入れています。昨シーズンのプレーオフも似たような形を採用しており、リバウンドの安定性が増すため、ガンガン走っていくカウンターアタックを武器にしました。

今シーズン躍進しているキャブスもビッグマンを3人並べる形を採用し、ペイント内で強さを発揮しますが、それだけでなくケビン・ラブやラウリ・マルカネンといった3ポイントシュートを武器とするビッグマンを有効活用しており、ディフェンスの安定性とアウトサイドのシュート力両方を求めた形です。同じことはジョエル・エンビードとトバイアス・ハリスに加えて、ジョージ・ニヤングを並べるセブンティシクサーズも取り入れており、高さとシュート力双方を強みにしています。

同じビッグラインナップながらアプローチが全く違うのがラプターズで、時には5人全員がパワーフォワードとセンターになりますが、5人全員が3ポイントラインの外にポジショニングする5アウトを用いてきます。この狙いはパスカル・シアカムやスコッティ・バーンズを小さい選手とマッチアップさせ、ドライブを仕掛けてコースを止められても高さで打ち切れるアドバンテージを作ることにあります。マッチアップのズレを意図的に作っていく方法論ですが、ガード並みのドライブ力があって初めて成立する戦略です。

逆に4人のガードを並べるのがブルズとヒートで、運動量をベースにした戦い方ですが、両チームの特徴は単に動ける選手を並べるのではなく、ビッグマン相手にもフィジカル負けしないファイタータイプを揃えている事です。特にヒートは被フィールドゴールアテンプトがリーグで最も少なく、激しくプレッシャーをかけることでシュートを打つことすら許さない守り方をしています。

オーソドックスなセルティックスとホーネッツ

そんな激しいディフェンス力には欠けるものの、スモールラインナップでケビン・デュラントとカイリー・アービングの1on1能力を全面に出すのがネッツです。ブルース・ブラウンに代表されるポジションや役割を限定しないフレキシブルな選手やシューターを活用して点の取り合いに勝機を見出そうとしてきます。

比較的オーソドックスなポジションバランスをするのがセルティックスとホーネッツですが、この両チームはウイングタイプを多く擁していることに加え、マーカス・スマートやラメロ・ボールといったサイズやフィジカルに強みを持つポイントガードが主力となっています。そのため時にはセンターを起用しないものの、全員がサイズのある『小さくないスモールラインナップ』で勝負を仕掛けてもきます。

極端なビッグラインナップとスモールラインナップを各チームが活用してきますが、それぞれの狙いは一律ではなく、攻守それぞれにメリットを生み出そうとしてきます。当然デメリットも発生するため対戦カードによって、どのような活用の仕方があるかも変わってくるでしょう。特に同じタイプのチームと対戦した時には、思うようなメリットを生み出せない可能性もあります。それだけにヘッドコーチ同士の試合展開に応じた駆け引きが重要になってきそうです。