張本天傑

デニスヘッドコーチ「良いレッスンになった」

名古屋ダイヤモンドドルフィンズは3月26日、27日と敵地に乗り込んで川崎ブレイブサンダースと対戦した。26日は89-84で競り勝ったが、27日は95-103でハイスコアリングゲームを落とし、ともに地区3位の強豪対決を1勝1敗で終えた。

名古屋Dの指揮官ショーン・デニスは、27日の試合をこう振り返る。「良いレッスンになったと思います。川崎さんのようなトップチームが負けた試合の後、どうやってくるのかを見せられました。ウチはそれに対応することができなかったです。昨日は3ポイントシュートをよく守りましたが、今日はそれができなかった。最初から集中力が足りなかったです。何回か追い上げましたが、最後はポゼッションゲームになってそれがうまくいきませんでした」

あと一歩及ばずに敗れたことへの反省点はあるが、一方で第3クォーター途中にエースのコディ・クラークがテクニカルファウル2つで退場処分となった後、加入したばかりのオビィ・ソコが19得点、7つのオフェンスリバウンドを含む13リバウンドと活躍し、最後まで食い下がったのはチームの総合力の高さを示すものだった。

これには指揮官も「うちのアイデンティティーとして、粘り強さにはプライドを持っています」と自信を見せる。「今シーズンを通して、シェイン(ウィティングトン)選手が故障で出られない試合が多いなど外国籍選手が1人足りないことは何回もありました。みんなが(クラークの退場を)カバーできる準備はできていました。オヴィ選手もまだ練習を2回しかできてなく、チームに馴染もうとしているところです」

今回の連戦、張本天傑は26日で10得点、27日も8得点を記録と、持ち味の外角シュートを沈めて存在感を発揮した。198cmのサイズがあり、外国籍や帰化選手へのディフェンスでも頼りになる大型フォワードは、連勝を逃した要因をこのように語った。

「全体としてそんなに悪くはなかったです。問題はディフェンスで100点以上取られてしまったこと。川崎さんはリーグでもオフェンスが強力なチームです。守備の1対1で抜かれてしまい、そこからのローテーションが何回も遅れると守備のシステムが機能しなくなります。まずは1対1でしっかり守るのが課題です。また、後半にセカンドチャンスから3ポイントシュートを打たれてしまったのが痛かったです」

そして、個人のパフォーマンスについてこう続ける。「思い切ってシュートを打つことが第一で、その次は激しくディフェンスすることにフォーカスして試合に入りました。今日に関しては最後の2本、3ポイントシュートを決められなくて、すごく悔しい思いをしました。引き続き自分の仕事に集中していきたいです」

張本天傑

「一人ひとりの仕事は明確で、規律も取れています」

名古屋Dにとって、チャンピオンシップ出場圏内のチームと連戦を行うのは1月2日、3日の島根スサノオマジック戦以来となった。だからこそ、現在地を知ることができた貴重な機会になった。張本は言う。

「川崎さんは天皇杯優勝とリーグトップのチームです。そこに僕たちがチャレンジする。今まで自分たちのやってきたことがどれだけ通用するのか、一つのテストでした。結果として1勝1敗で、点差はそんなに開いていません。点数は取れているので問題はディフェンスで、手応えは十分にあったと思います」

Bリーグ誕生後、名古屋Dはチャンピオンシップに出場した経験はあるが、いずれもクォーターファイナルを突破できていない。しかし、今シーズンは過去最高のペースで勝ち星を積み重ね、内容的にも充実している。

張本は言う。「一人ひとりの仕事は明確で、規律も取れています。チームのルールに従ってやっていけば最強とは言わないですが、間違いなく最高のチームになれる。結果が楽しみで仕方ないです」

張本が好感触を得ていることが伝わる週末の連戦だった。