天皇杯を連覇した川崎ブレイブサンダース、佐藤賢次ヘッドコーチの思惑(後編)「もう天皇杯の決勝と同じような戦いはできない」

天皇杯を連覇した川崎ブレイブサンダース、佐藤賢次ヘッドコーチの思惑(後編)「もう天皇杯の決勝と同じような戦いはできない」

2022/03/16 12:00
佐藤賢次

川崎ブレイブサンダースは、3月12日に行われた天皇杯決勝で千葉ジェッツと対戦。MVPを受賞した藤井祐眞の大暴れもあって前半で19点の大量リードを奪うと、後半に入って追い上げを食らいつつも要所をしっかり締めて82-72で勝利し、大会連覇を達成した。14日の午後、佐藤賢次ヘッドコーチに決勝の振り返り、4月いっぱいまで水曜ゲーム、週末と週3日の過酷なスケジュールが続く終盤戦に向けての意気込みを聞いた。

「チャンピオンシップ出場を決めて、良い状態で5月を迎えるのが最優先」

――16日からリーグ戦は週3日の試合が1カ月半に渡って続くスケジュールとなります。この過酷な戦いを乗り切ってのチャンピオンシップ進出、リーグ王者となるためにはどんなメンタリティーで臨まないといけないと考えていますか。

ちょうど今日、ミーティングをして選手ともう一度、目標について整理しました。リーグ戦は地区優勝に向けて負けられない戦いが続くことをみんな理解しなければいけない。ただ、最大の目標はBリーグでチャンピオンになること。そのためにまず目指さないといけないのはチャンピオンシップ出場です。それさえできればリーグ王者になる権利を得られます。チャンピオンシップ出場を決めて、良い状態で5月を迎える。それを最優先にしないといけないです。

ただ、シーズン開幕時に立てた目標の1つは地区優勝で、そこは次にこだわるところです。優先順位をしっかりとみんなの中で整理しながら、どっちも目指すことをみんなの前で話しました。ただ、ホームのとどろきアリーナでチャンピオンシップを開催したい。その気持ちをみんな持っています。最大の目標は理解しつつも地区優勝を目指していく。もしかしたら、どこかで何か判断をしなければいけない時期は来るかもしれないです。ただ、今はこの先に何が起こるか分からないです。

――選手起用については、プレータイムのシェアはより意識しないといけないと思いますか。それとも天皇杯の決勝でファージカス選手が34分、ヒース選手が36分出場したような偏りは展開によっては引き続きあるものですか。

もう天皇杯の決勝と同じような戦いはできないと、はっきりと選手たちに伝えました。出場時間をシェアして全員の力で戦っていく。コートに立った選手が役割と責任をしっかりと全うしないといけないです。理想をいえば、全員をどんなに長くても20分台のプレータイムに抑えながら、しっかりとチームで流れを作っていければと思います。前半戦はいろいろなことを試して連携を伸ばし、木の幹を太くする時期でした。そこから戦術、戦略を練る時期となり、今は勝ちパターンを確固たる自信にしていく時期で、それを作っていきたい考えはあります。

川崎ブレイブサンダーズ

「相手がどんな対策をしてきてもそれを解決する糸口は絶対に見つかる」

――天皇杯に限らず、ここまでレギュラーシーズンでファジーカス選手のプレータイムが30分を超えることは少なくないです。目の前の試合に勝つため、長時間使いたくなるケースは必ず出てくると思います。

ここから先に関しては一回でもその後に響くような無理のある戦いをしてしまうと、リカバリーする暇がない。ずっと疲労を蓄積したまま戦わないといけないです。自分の身体が思うように動かなくなるので、メンタル的にもかなり負担となります。シェアをしないと、4月の真ん中くらいで心身ともに疲れきってしまいます。だからプレータイムのシェアをすると覚悟を持って伝えました。よくインタビューの記事とかでサンロッカーズ渋谷の伊佐(勉)さんが勝つ時もチーム、負ける時もチームとおっしゃっていますが、本当にその通りでこの戦い方をしていきたいです。

――川崎の大きな武器であるビッグラインナップも2年目となりました。そこは相手に研究されていると感じる部分はありますか。

研究されているより、どこのチームもビッグラインナップができる布陣を作ってきていることの方が大きいです。琉球ゴールデンキングスさん、宇都宮ブレックスさんもやりますし、アルバルク東京さんと対戦した時は2戦目にやってきました。スタイルを変えてでも、うちのビッグラインナップに対応してくると思っています。その中で今、選手たちに繰り返し言っているのはどんな布陣でもチームの軸は変わらないこと。ビッグラインナップだからインサイドばかり攻める訳ではないです。(藤井)祐眞がピック&ロールで攻め、そこからディフェンスのズレが生まれる。それに対して周りが合わせることで、ズレがどんどん大きくなっていって最終的に良いシュートで終わる。

その考え方や、そこに至るまでに『BE READY、BE TOUGH』とずっと言葉にして練習、試合でやってきたことはどんなラインナップ、どんな相手にでも変わらないとずっと言い続けています。この部分がブレなければ、相手がどんな対策をしてきてもそれを解決する糸口は絶対に見つかると思います。これは去年の反省でもあります。去年はビッグラインナップに頼りすぎていたところがあり、軸について徹底できなかった部分がありました。ここから先は、我々の軸が何なのか、それがより大事になってくると思います。

――最後にファンへのメッセージをお願いします。

まずは目標を一つ達成できましたが、それは日頃からこのチームに関わるサンダースファミリー皆さんのおかげで、感謝の気持ちを皆さんに伝えたいです。ここから本当に大変なスケジュールが始まりますが、やるしかないです。地区優勝からのリーグ優勝を目指していきますが、それよりもまずはどんな試合でも勝敗以外の部分で、1プレーずつ何か伝わるものを残す。初めて試合に来た人にまた来たいと思ってもらうプレーをすることです。

いろいろな社会情勢がありますが、バスケットの試合を通してポジティブなもの、勇気、感動、夢を与えられる存在として終盤戦を戦っていきたい。その積み重ねが必ず結果にも表れていき、チャンピオンシップ出場、地区優勝、リーグ優勝に繋がると信じて一戦一戦頑張っていきます。引き続きサポートをよろしくお願いします。

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