西田に求められるのは「3ポイントシュートとペイントアタック」
西田優大は大学生の頃から代表合宿の常連として、コンスタントに招集を受けてきた。将来性は買われても経験不足と見られてか、なかなかロスター入りを勝ち取るには至らなかったが、代表ヘッドコーチがトム・ホーバスになると、昨年秋のワールドカップ予選Window1でメンバー入りを果たし、主力として起用されて結果を出した。
今回、Window2に向けたメンバーでもいまだ最年少ではあるが、今の西田には自信が感じられる。これはシーホース三河で結果を出していること、そしてWindow1での経験によるものだ。自身の武器であり、ホーバスが求める3ポイントシュートについて、「チームのタイミングでしっかり打ち切ること、代表を通して迷わず打てているのが今の僕の良さだと思うので、そこは前回同様継続してやっていきたい」と語る。
今回の合宿で彼が意識しているのはフィニッシュの部分。西田はチームのお膳立てを受けてキャッチ&シュートを決めるだけの選手ではなく、抜け目のないディフェンス、3ポイントシュートを守備側に意識させてのドライブからの展開と多彩なプレーができる。Window1では3ポイントシュートこそ思い切り良く打てたが、ドライブからのフィニッシュを自ら課題に挙げていた。
「今までは行くと決めたら行ききっちゃうのが僕だったんですけど、もう一つドリブルをついて様子を見ながらレイアップ、フィニッシュに行くことを今回は意識してやれているので、オーストラリアとか大きい選手が相手でもやれるんじゃないか。今後は必要になってくるので、身に着けることができたんじゃないかと思います。僕は左利きなので、左側のフィニッシュは割と安定して身体もブレずにできるんですけど、右側のフィニッシュで右手があまり上手に使えません。そこで少しかいくぐる技術を教えてもらいました」
これはトム・ホーバスからの要求でもある。西田が求められているのは「3ポイントシュートとペイントアタック」であり、「3ポイントシュートもそうなんですけど、ペイントアタックする選手が今回は増えたので、そこで劣らないように頑張りたい」と言う。
プレータイムが伸びて任される役割も増えたがいまだ最年少であり、まだチームを引っ張るよりも自分のプレーに集中して全力を尽くすことが主になるが、「代表にも若手がどんどん入っていて、僕は最年少なんですけど底上げというか、若い選手からどんどんやっていければいいと思います」と、自分自身がチームに良い影響を与えることも意気込む。
「プレッシャーより喜びの方が強いです。やっと日の丸を背負って代表としてプレーできているので喜びしかないです」という西田には、今回のWindow2でまた新たな自信を得て、さらにスケールの大きな選手へと成長するきっかけとしてもらいたい。