ゴードン・ヘイワード

写真=Getty Images

前向きな気持ちを取り戻し、ついに実戦復帰へと到達

2017-18シーズンの開幕戦で左足首脱臼、脛骨骨折の重傷を負ったセルティックスのゴードン・ヘイワードが、ついに実戦復帰を果たした。9月28日にディーンE・スミス・センターで行なわれたホーネッツとのプレシーズンゲームに先発出場したヘイワードは、23分プレーして10得点3リバウンド1アシストを記録。久々の実戦とあってシュートタッチは必ずしも良くなく、フィールドゴールは7本中2本の成功に終わったが、完全復活に向けて大きく前進したのは間違いない。

試合後「まだプレシーズンだから、チームとしても、もちろん個人としても課題は多い」と語ったヘイワードは、復帰について聞かれると、感慨深げにこう答えた。

「去年はいろんな出来事があった。ファンの前で、チームメートと一緒にプレーできて良かった。『もう復帰できないかもしれない』と思った時期もあったんだ。だから今日の出場は自分にとって、小さいものではあっても間違いなく勝利だと思う」

今でこそ落ち着いて過去を振り返ることができるが、その間には葛藤もあった。1年を棒に振るケガで、どこまで回復できるかも分からないとなれば不安になるのは当然のこと。それに加えて、大物フリーエージェント選手として期待された自分がいないにもかかわらずチームが快進撃を続けたことも、彼をナーバスにさせた。

ヘイワードはポッドキャスト番組『The Pardon My Take Podcast』に出演した際、「チームが負けてしまえばいいと思わなかったら、それは人間じゃないよ」と当時の心境を正直に打ち明けている。「シーズン序盤は、チームの好成績にうんざりしている自分がいた。開幕から連敗して、そこから連勝続き。ベッドで寝ていた時に、『俺がいないのにチームは勝っている、どうなってるんだ!』と思ったよ」

だが、その心境は次第に変化していった。落ち着きを取り戻すとともに、自分がいなくても勝てているチームを心強く感じるようになった。「だからボストンを選んだんだ。チームは強くなるし、すべてを勝ち取るチャンスがある、と思った」とヘイワードは言う。

「それからは素直にチームを応援できるようになったんだ」

気持ちが前を向き、目の前の小さな目標をクリアすることだけに集中するようになると、回復への歩みも順調に進んだ。そして、ついに実戦の舞台に立てるまでに回復したのだ。あとは、2018-19シーズンの開幕戦のコートに立って、セルティックスのヘイワードとして『再デビュー』を果たすだけ。1年間の辛い経験は、彼をまた一回り強い男へと変えたはずだ。成長するセルティックスが優勝するのに必要な『ラストピース』として貢献する姿を見せてもらいたい。