マーカス・スマート

攻守にチームプレーが機能、派手なバスケを見せるホーネッツに競り勝つ

セルティックスが調子を上げてきた。昨年末の時点で17勝19敗と負け越していたが、今年に入って11勝6敗と復調。いまだ順位は東カンファレンスの9位だが、プレーイン・トーナメントを回避してのプレーオフ出場となる6位までは2ゲーム差と、大混戦の東で浮上の気配を見せている。

現地2月3日のホーネッツ戦では、ラメロ・ボールに38得点9アシストの大活躍を許しながらも、その猛追をしのいで113-107で勝利した。マーカス・スマートは「素晴らしい勝利だった。シーズン序盤は苦しんだけど、自分たちの力をどう組み合わせればチームとして機能するのかが分かってきた。ホーネッツのようなチームを相手にこの戦い方で勝てたことには大きな意味がある」と語る。

セルティックスはジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンの若き両エースを擁しているが、彼らが自分たちでやりすぎたり、それが課題だと指摘されれば必要な場面でプレーに絡めなくなったりと、本来持つ実力をコートで上手く発揮できなかった。このホーネッツ戦ではテイタムがフィールドゴール16本中6本成功の19得点、ブラウンが15本中7本成功の15得点と、どちらも得点力が爆発したわけではない。それでも彼らがディフェンスを引き付け、テイタムは9、ブラウンは6のアシストを記録した。

ヘッドコーチのイメイ・ユドカは言う。「仲間を信頼して正しいプレーを遂行すること。これに勝るものはない。誰の調子が良いとか悪いとかではなく、無理なアクションを起こしてターンオーバーをしたり、シュートまで持っていけないのではダメだ」

派手なプレーを連発したのはホーネッツだったが、セルティックスは勝負どころでミスをせず、良いシュートチャンスが作れなくてもフリースローで得点を繋いだ。粘りに粘ってリードを守り続けた残り1分、テリー・ロジアーの3ポイントシュートで同点に追い付かれたが、セルティックスの選手たちは動じない。テイタムとスマートのフリースローで4点のリードを奪い、最後はロバート・ウィリアムズ三世のダンクで決着を付けた。

全員でパスを回してチャンスを共有する攻めが機能する中で、チームハイの23得点を挙げたのはベンチスタートのジョシュ・リチャードソンだ。31分のプレータイムを得てフィールドゴール12本中8本成功、3ポイントシュートは8本中6本と高確率で決めた。それでもリチャードソンは「僕はいつも通りプレーしただけ。キャッチ&シュートのチャンスが来たら自分のシュートを打つだけなんだ。みんなボールを動かし、オープンになっている選手を見付けて、シュートを決めた。僕もその一人だっただけさ」と言う。

個々が勝手なプレーをして歯車が嚙み合わなかった一時期、スマートはメディアの前で不満を漏らしたこともあるが、今はチームプレーに確信を持つに至った。「お互いを信じ、システムを信じて、攻守の両方でゲームプランを遂行すれば勝てると信じてプレーできている。自分たちの直感を信じながら、正しいタイミングで正しいプレーを選択している。ディフェンスでも相手が走り出した瞬間に気が緩んでいるようなことがなくなった。それで勝てているんだから、自信は増していく。まだ改善すべき点はたくさんあるけど、このチームは正しい方向に向かっているよ」