「絵本を読んでもらった子供たちが、その夜に安心して夜を眠れますように」
仙台89ERSの片岡大晴は、クラブの『NINERS HOOP×SDGs』の活動の一環として、自らの発案による『空飛ぶ絵本』プロジェクトを実施している。これはホームゲームで仙台が勝利するたびに、片岡が子供たちへ絵本をプレゼントする、というもの。地域と一緒にプロジェクトを進めていく意味で、ゼビオアリーナ仙台に近い仙台市太白図書館が絵本のセレクトに協力。ここから片岡が選んだ本を、児童館やNPO法人などを通じて子供たちへと届けている。
昨年12月29日のホームゲームは『NINERS HOOP SDGsデー』で、ここでは空飛ぶ絵本ポストを試合会場に設置。ファンに読まなくなった本を投函してもらった。片岡はこのポストを手作りする気合いの入れようで、297冊の本が集まった。
1月30日に白石市文化体育活動センターで行われた山形ワイヴァンズ戦では、白石市にできた施設『こじゅうろうキッズランド』に絵本の寄贈を行い、試合前には片岡から白石市長へ絵本を渡すセレモニーも行われた。
自身も子を持つ父親である片岡は、オフシーズンにキャンプインストラクターの資格を習得。その中で母子家庭の親子が対象のキャンプに参加し、忙しい日々から抜け出して過ごす時間の中で「この何気ない時間がきっと親子の大切な思い出の一つになる」と考え、「忙しい毎日の中でも、仕事をちょっと忘れて、少しでも子供たちとの時間を作るきっかけを作りたい」と感じたことが、このプロジェクトの発端となった。
プロバスケットボール選手として地域とどうかかわることができるかを考えた結果が、自分自身が幼い頃に大好きだった、そして寝る前の子供に読み聞かせをする絵本を、多くの子供たちへと届けることだった。
「絵本を読んでもらった子供たちが、その夜に安心して夜を眠れますように。そして夢に向かって自信を持って進む心が育ちますように。そんな願いを込めて」と片岡はコメントしている。
バスケのプレーで観客を魅了するのはもちろん、プロ選手の立場を生かして地域にどんな形で貢献できるか。それを自分らしいスタイルで形にしていく片岡の活動が、今後もより良い形で広がっていくことに期待したい。