「いろいろな選手の良いところを見て、学んで、それを習得したい」
ワールドカップ予選の開幕を2月10日に控え、女子日本代表は強化合宿を行っている。
今回の合宿には19名が招集されたが、そのうちベンチ入りできるのは12名まで。7名が脱落するサバイバルレースはすでに始まっているが、特に競争が激しいのがポイントガード争いだ。東京オリンピックで1試合の最多アシスト記録を更新した町田瑠唯、ケガの回復が不完全ながらも持ち前の得点力を発揮した本橋菜子、アジアカップ決勝戦で26点11アシストを記録しチームを5連覇に導いた宮崎早織ら『オリンピック組』に加え、現役復帰を果たした藤岡麻菜美、昨年秋のアジアカップで活躍した山本麻衣が候補に名を連ねた。
代表定着を狙う宮崎は「恩塚(亨ヘッドコーチ)さんのバスケットにやっと慣れてきました。アジアカップとは違うメンバーも何人かいるので、良いコミュニケーションを取りながら頑張っています」と現状を語ったが、「ガード陣の争いはすごいです」と競争の激しさも理解している。
アジアカップで平均11.6得点、9.6アシスト、4.0リバウンドを記録し、大会ベスト5にも選出された宮崎だが、東京オリンピックでは町田、本橋に続く3番手の立ち位置でプレータイムも平均8.3分と2人を下回った。宮崎はこの経験があったからこそ、アジアよりもさらに大きい舞台で自身がメインガードを務めたいと思うようになったという。
「オリンピックの時にあまり試合に出れず悔しかったです。でも2人の活躍を見て、ああいう大きい大会で活躍したいとあらためて思いました。自分の持ち味であるスピードをアピールして、自分がメインとして試合に出て大活躍したいです」
実績のある町田と本橋をライバル視するのは当然だが、新たに加わった藤岡と山本の存在ももちろん忘れてはいない。宮崎は「ライバルが増えた」と表現したが、「そこはポジティブに考えて、いろいろな選手の良いところを見て、学んで、それを習得したい」と語り、他者のストロングポイントを取り入れようと意欲的な姿勢を見せた。
「ガードだけじゃなく、中でもミスマッチができるのが強み 」
若手主体で臨んだアジアカップでは、宮崎は最年長の部類に入ったが、今回は髙田真希や渡嘉敷来夢など頼りになる年上の選手も加わる。宮崎は彼女たちを「お姉さんたち」と表現し、先輩プレーヤーの加入がもたらす好影響をこのように説明した。
「お姉さんたちが入ってきても、アジアカップの時と変わらずにみんなが自主性を持っていて、恩塚さんのバスケットを知っている選手が教え合ったりコミュニケーション取ってやれています。若い選手だけだった時はミスマッチのシチュエーションになっても中で攻めれなかったり、力強いプレーができないことが多かったと思います。タクさん(渡嘉敷)やリツさん(髙田)が入ってきてくれたことで、ガードだけじゃなく、中でもミスマッチができきるのが強みになっていますし、中で攻めれなくても3ポイントシュートも打てるので良い形で進んでいます」
心強い先輩プレーヤーの加入を歓迎しつつ、熾烈なポイントガード争いに奮闘している宮崎。自身が活躍したいというエゴはこのサバイバルにおいてプラスに働くはずだ。