「長い目で見てチームの勝利を考え、優勝というゴールに向かって進む」
レイカーズは現地1月20日のペイサーズ戦で接戦に競り負けた。これで22勝23敗と勝率5割を切り、チームはレギュラーシーズンの折り返し地点を過ぎても勝つための道筋を見いだせずにいる。成績が上向かない以上、いろんな策を試すのは当たり前のことだが、それでもこの試合では驚くべき采配が見られた。ラッセル・ウェストブルックをクラッチタイムに起用しなかったのだ。
ウェストブルックは27分の出場で14得点2リバウンド3アシスト。『ミスター・トリプル・ダブル』の異名とはほど遠い出来だった。それでも第4クォーター残り4分を切って94-101と7点ビハインド、ここからが勝負どころの場面でマリーク・モンクとの交代でベンチに退いた。
指揮官のフランク・ボーゲルはこの起用法に対し、「勝つために必要だと思う選手を使った」とコメントしている。『ESPN』の取材に対してウェストブルックは「驚いたし、もうコートに送り出されなかったことに失望した。でもそれ以上に失望したのはチームが勝てなかったことだ。僕はコートに出て仲間たちを助け、チームの勝利に貢献したい。でも、決定は下された」と語る。
優勝候補のレイカーズは期待を大きく裏切っている。新加入選手のウェストブルックはその象徴となっているが、「僕は自分に求められるすべてのことをやろうとしてきた。ただ、それが機能していたか、そうでないかの判断をするのは僕じゃない」と語り、「これからも最善を尽くす。長い目で見てチームの勝利を考え、優勝というゴールに向かって進むだけだ」と続けた。
「欠場している選手がいる以上、コーチが起用法を変えるのは理解できる。チーム全員が自分のやるべき役割でベストを尽くそうとしている。僕も全力で自分のできることすべてをやろうとしている。求められることに対して、自分のベストで応えたい。それはここに来た時からずっと変わらない」
サンダーを離れた2019年夏から、ロケッツ、ウィザーズ、レイカーズと1年ごとに移籍を繰り返している。「新しいチームに加ったら、シーズンを通してアップダウンがある中でいかに順応するかが大事になる。この3年間はずっとその挑戦をしてきた。僕は自分の技術に集中して、どうやれば上手く機能するかを見いだしてきた。今回も同じだ。レイカーズのために自分がどうプレーするのがベストなのかを見いだそうとしている」
「シーズンが進むにつれて良くなっていかなければ。それに僕は自分のやっていることに責任を持ち、チーム全体を引き上げていかなければならない。そのために何をやらなきゃいけないかは分かっているよ」
成績が上がらないことで周囲は慌ただしい。トレードデッドラインに向けて大掛かりなトレードが必要だとの声もある。それでもウェストブルックは良い意味で周囲の喧騒に無関心だ。自分の力で状況を変え、未来を切り開く強い気持ちは変わっていない。