インサイドのアドバンテージを生かした琉球が前半で50-32
1月19日、天皇杯のクォーターファイナルとなる琉球ゴールデンキングスvs信州ブレイブウォリアーズが沖縄アリーナで開催され、主力5名を欠いた信州に対してゴール下を制圧した琉球が91-67で勝利した。
本来ならばこの試合は1月5日に予定されていたが、琉球に新型コロナウィルスの陽性反応者が出たことで延期となっていた。信州は『現況の諸事情を鑑みて』との理由でアンソニー・マクヘンリー、ウェイン・マーシャル、岡田侑大、西山達哉、栗原ルイスが遠征に帯同せず、主力を欠く状態。琉球もコンディション不良から3名が欠場したことで、ベンチ入りは琉球が9名、信州が8名とともに苦しい台所事情の中で行われた。
立ち上がり琉球は、信州のダブルチームに対しビッグマンが冷静にパスをさばくことで外角シュートのチャンスを作り出し、岸本隆一の3ポイントシュートで10-2と先手を取る。信州もジョシュ・ホーキンソン、熊谷航らが素早いボールムーブからアウトサイドを沈めて応戦。だが、ここで琉球は外国籍選手2名に加えて帰化選手の小寺ハミルトンゲイリーを使うビッグラインナップでインサイドのアドバンテージを強調し、第1クォーターで2桁のリードを奪った。
第2クォーターの出だし、信州はオフェンスリバウンドからのセカンドチャンス、スティールによるターンオーバー奪取から前田怜緒が連続得点を沈め7点差にまで追い上げる。しかし、ここで琉球は今村佳太がタフな3ポイントシュートを2本連続で沈めて悪い流れを断ち切る。そして運動量豊富な信州のプレッシャーにも順応することで、イージーシュートのチャンスを次々と生み出して突き放し、前半で50-32と大量リードを奪った。
「結果を残してくれた選手たちを頼もしく思います」
後半も琉球ペースで試合は推移し、第3クォーター中盤にはリードを20点以上と広げる。信州も3連続3ポイントシュート成功と見せ場を作るが、良い流れも長くは続かず。琉球が危なげない試合運びで楽々と逃げ切った。
隔離期間を経てのチーム活動再開から短い準備期間で得た勝利に、琉球の桶谷大ヘッドコーチはこのように選手の頑張りを称える。「チームとして練習がなかなかできなかった状態で、インサイドとアウトサイドのバランスではなく選手の疲労、コンディションを考えてのローテーション起用と、いつもと違うリズムでやらないといけなかったです。その中でもこうして結果を残してくれた選手たちを頼もしく思います。いなかったメンバーも何人がいましたが、出場した選手たちが『今こそ自分たちがやらないといけない』と感じる。そういうメンタリティを持った選手がキングスにはたくさんいます」
琉球としては初の天皇杯ベスト4進出を果たしたことに安堵の表情を見せる。「あと2つ勝てば日本一になれます。そのためにもリーグ戦でケガなく、ベスト4の千葉ジェッツ戦にピークを持っていけるように進めていきたいです」
それとともに、桶谷ヘッドコーチは「信州さんがこうやって沖縄に来てくれなかったら試合もできなかった」と、この難しい時期に沖縄アリーナまで遠征した信州への感謝の気持ちを強調した。
両チームともに万全なコンディションではない中、可能な限りのハードワークを見せてくれた。もう一つのクォーターファイナルであるアルバルク東京と川崎ブレイブサンダースの試合は、A東京が『苦渋の決断』で出場を辞退し、試合ができなかった。全国的に感染が再び拡大する中で、どのチームも難しい舵取りが求められる。これもまた、各チームが向き合わなければいけない『勝負』だ。
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