「次の中国戦でしっかり結果を残せるように準備をしたい」
バスケットボール男子日本代表は、アジアカップ予選の開催地となるフィリピンへ本日出発する。16日から19日までの4日間で、中国、チャイニーズ・タイペイ、再び中国と3試合を戦う予定だ。昨日、富樫勇樹が会見に応じた。
富樫はBリーグの時代に入ってから常に日本代表をポイントガードとして引っ張ってきたが、2019年夏のワールドカップでは大会前の強化合宿中に右手第4中手骨を骨折。先発ポイントガードを欠いたチームは5戦全敗と結果を出せなかった。2020年2月のアジアカップ予選、チャイニーズ・タイペイ戦で富樫は復帰を果たし、日本を勝利に導いている。そして今回、いよいよオリンピックイヤーの代表活動を迎えた。
オリンピックに懸ける思いが人一倍強い富樫は、「ようやく近づいてきたという思いです」と今の心境を語る。「この4、5年、東京オリンピックが決まってBリーグが開幕して、本当にオリンピックに出場するために、そして日本代表に選ばれるために何をすればいいかという思いで日本に帰ってきてBリーグでプレーしているので、本当にやっと近づいてきたなという、ワクワクする思いでいっぱいです」
今回はアジアカップ予選で、オリンピック直後に行われるアジアカップ本大会の出場権を懸けたもの。この本大会での結果が2024年のパリオリンピック出場に関係してくるが、やはり選手たちの頭にあるのは目の前に迫った自国開催の大一番、7月25日にバスケットボール競技がスタートする東京オリンピックだ。「オリンピックの選考ももちろん兼ねていると思いますし、僕自身もまず次の中国戦でしっかり結果を残せるように準備をしたい」と富樫は言う。
アジアと世界ではその様相は全く異なるし、日本代表も八村塁と渡邊雄太、馬場雄大の『海外組』がいるかどうかで別のチームとなる。今回は海外組抜きではあるが、アジア最強国である中国と公式戦で2度対戦することは、オリンピックに向けて最善のテストになりそうだ。
「自分の持ってるストロングポイントをどう出せるか」
自身が欠場したワールドカップを「正直、僕がいたからと言って結果が変わったというのは思わないですけど」と振り返る富樫は、「でもやっぱりなかなか相手のプレッシャーに対してドライブだったりはあまりワールドカップで見られなかった。馬場選手がちょっと思い切り行っていたところはありましたけど、そういう意味ではスピードを生かしたプレー、ドライブやキックアウトは自分のストロングポイントで、少しでも出せたらなという思いはあります」と続ける。
「自分の持ってるストロングポイントをどう出せるか。八村選手や渡辺選手にはもちろんディフェンスが付くから、それ以外の選手がどうアタックできるか、スペースに対してどうアタックできるかというのはすごく練習から言われていて、そこはすごく意識している、チームとして取り組んでいるところかなと思います」
日本代表に懸ける思いが人一倍強い富樫は、「ただ全力で頑張るだけではなく、しっかり結果を出さないといけない」と燃えている。Bリーグでの激闘の疲労は残っているかもしれないが、初優勝の勢いを代表にも持ち込んでいるはず。2019年に外からチームを見ていなければならなかった無念の思いも含め、ここからオリンピックまでの一連の試合にすべてをぶつけてほしい。