松脇圭志

調子を上げている琉球で、日本人一番のプレータイム

4月4日、琉球ゴールデンキングスはホームでレバンガ北海道と対戦。序盤から主導権を握り続け、チャンピオンシップ圏内同士の直接対決を83-74で制した。

試合の出だしから琉球は守備で激しいプレッシャーをかけることで、北海道に簡単にシュートを打たせない。第1クォーターでフィールドゴールを14本中5本に抑え込むなど、守備でリズムをつかむと、攻守の素早い切り替えからズレを作って確率良くシュートを決め、いきなり2桁のリードを奪う。

先制パンチに成功した琉球のペースで試合は進み、13点リードで第4クォーターを迎える。だが、富永啓生にこのクォーターだけで11得点と爆発を許すと、ガード陣の積極的なペイントアタックを食らうなど北海道のペースに持ち込まれ、残り5分で7点差に迫られた。

だが、この悪い流れでも琉球は慌てることなく、デイミアン・ドットソンを軸にしっかりとアドバンテージのある部分を突く質の高いチームオフェンスを遂行。着実に得点を重ねていくことで北海道の追撃を防ぎ、ゲーム1を勝ち切った。

琉球の松脇圭志は、27分10秒出場で7得点3アシスト2リバウンドを記録。富永への粘り強いディフェンスに加え、終盤にはスイッチによって北海道のビッグマンとの1対1になっても持ち味のフィジカルで押し負けずにターンオーバーを誘発した。さらに味方ビッグマンがローポストに位置取ったタイミングを逃さずにパスを供給するなど、攻守で堅実なプレーを披露した。

先週末のSR渋谷戦でも松脇は2試合連続で25分以上出場するなど、シーズン終盤に入ってどんどん存在感を増している。それは何よりもフィジカルの強さを生かした守備力で、エースキラーとして高く評価されているから。松脇本人も「他に得点を取れる選手がたくさんいるので、オフェンスというよりディフェンスの部分で相手の日本人エース、得点源を抑えることをすごく意識しています。点を取られはしますけど、気持ちよく取らせないように努力はしています」と、彼らしい控えめな語り口でこだわりを語る。

また、オフェンス面でも武器である3ポイントシュートに加え、ドライブからの崩しやビッグマンへのポケットパスなど、チャンスメーカーとしての貢献も光った。ビッグマンへのお膳立ては今の松脇が大切にしている部分だ。「やっぱり3ポイントだけではいけないところはあります。インサイドを攻めるのにポケットパスの部分をチームとしてすごく強調しているので、そこで自分が入れられる場面があれば、しっかりと担うようにしています」

松脇圭志

「自分たちのバスケをやろう。これまで積み上げてきたものを出そう」

自分より一回り以上大きいビッグマンにも押し負けないフィジカルと豊富な運動量を誇る松脇について、桶谷ヘッドコーチは「松脇と小野寺(祥太)はリーグでもトップレベルのウイングディフェンダーだと思っています。その意味でもトップスコアラーの富永君相手にあそこまで頑張れたのは大きかったと思います」と称える。

さらに指揮官は「オフェンスもシーズン序盤に比べたら、ボールに絡むところは増えてきました。3ポイントシュートと、チャンスメークで今はちょうど良いバランスでプレーしていると思います」とオフェンス面の成長についても言及する。

松脇は元々控え目な性格で、『自分がチームを引っ張る』、『自分の得点で試合を決めてやる』といったエゴを、良い意味で出さない。ただ、桶谷ヘッドコーチはチームの中心的な役割を担える実力者だと信頼している。

「それこそ彼が強く望めば、僕は代表争いにも入ってこれる素材だと思っています。ただ、彼自身が『いや、僕なんて……』みたいなところも性格的にやっぱりあります。そこで、こっちが無理やり『代表になってほしいから、もっとやって』というのも違います」

松脇自身は「自分がチームを引っ張っていく、まではないです」と謙遜するが、在籍4年目と古株になっていく中で、リーダーシップについても意識しつつある。「どちらからといえば在籍年数も多いですし、桶さん(桶谷大ヘッドコーチ)のことも分かっています。だからこそ、この状況ではこういうことをやった方がいいなど、試合中に前に比べたら言うようになりました。助言というか、ハドルの時に自分から話したりはするようになりました」

現在、ワイルドカード上位につける琉球だが、少しの負けで一気にチャンピオンシップ圏外に落ちる混戦の中にいることは変わらない。プレッシャーのかかる状況にあるが、松脇は「チームの雰囲気としてピリついていることはないです。自分たちのバスケをやろう、これまで積み上げてきたものを出そうという意識です」と、やるべきことにフォーカスできている。

北海道相手に同一カード連勝ができれば、琉球にとって大きな弾みがつくのは間違いない。そのためには相手のエースである富永の爆発を防ぐことが重要であり、松脇のタフなディフェンスが欠かせない。