ビリー・ドノバン

ジョシュ・ギディーの残留と新戦力のフィットがカギに

ブルズとビリー・ドノバンが契約延長に合意したと『ESPN』が報じた。

ドノバンは現在60歳。フロリダ大のヘッドコーチを長く務めた後に、50歳でNBAに転じた。2015年からサンダーを率いて、2020年からブルズを指揮している。この5シーズンでプレーオフ進出は2021-22シーズンの1度だけ、それもバックスに1勝しか挙げられずファーストラウンド敗退を喫しているが、フロントは大学時代から続くドノバンの若手を育ててチームを作る手腕を評価し、契約を延長した。

直近の2シーズン連続でブルズは39勝43敗の9位、プレーインで敗退している。それでもチームは転換期にあり、デマー・デローザンとザック・ラビーンを放出して若いチームで再スタートを切ったばかり。昨シーズンはプレーインでヒートに敗れたものの、2月にラビーンを放出して若手中心に舵を切ると、レギュラーシーズンのラスト20試合で15勝5敗、熾烈な順位争いを続ける強豪にも次々と競り勝つ快進撃を見せた。

契約延長まで時間はかかったが、今オフにトム・シボドーを解任したニックスがドノバンとの面談を要望したのを断っており、ブルズはドノバン留任が基本線となっていた。

今オフのブルズはケガ続きだったロンゾ・ボールとのトレードで働き盛りのアイザック・オコロを獲得。放出が濃厚とされるニコラ・ブーチェビッチのトレード、昨シーズン終盤の快進撃の立役者だったジョシュ・ギディーの契約延長が決まらず、動きが遅いのは気掛かりだが、1巡目12位で指名したノア・エセンゲはサマーリーグで活躍して即戦力の期待が持てる。また、同じくサマーリーグで素晴らしいパフォーマンスを見せた河村勇輝を2ウェイ契約でロスターに加えている

ギディーの残留が前提となるが、昨シーズン終盤戦で見せた速いペースで選手とボールが連動するバスケをさらに成熟させれば、ブルズは面白いチームになるはず。そこでドノバンの采配と選手掌握の手腕が必要になる。