ピストンズのウイング、ティム・ハーダウェイJr.も補強
先日、ナゲッツは生え抜きの中心選手マイケル・ポーターJr.をトレードで放出し、ネッツからキャメロン・ジョンソンを獲得するという荒療治を実施。実力は申し分ないが、残り2年で計7800万ドル(約120億円)と高額年俸のポーターJr.との別れを選択したことで、サラリーキャップの大幅な削減に成功した。
ナゲッツは2022-23シーズンの優勝以降、ニコラ・ヨキッチ、ジャマール・マレー、アーロン・ゴードンにポーターJr.と大型契約を締結。この影響でサラリーキャップが圧迫され補強が制限された結果、ここ2シーズンは主力のベテラン勢の流出が続いた。さらに若手の育成に消極的だったマイケル・マローン前ヘッドコーチの起用法もあって目立った新戦力が台頭せず、選手層に関してはジリ貧となっていた。
だが、今回ポーターJr.を放出したことでサラリーキャップに柔軟性が生まれたナゲッツは、キングスとのトレードでセンターのヨナス・バランチュナスを獲得している。交換要員のダリオ・サキッチは昨シーズン、ほぼ戦力になっておらずこのトレードは純粋なプラスでしかない。
33歳のバランチュナスは昨シーズン、ウィザーズとキングスで計81試合出場、平均10.4得点、7.7リバウンド、2.0アシストを記録。ヨキッチがベンチに下がると一気に失速することが大きな課題だったナゲッツにとって、バランチュナスは実力、実績ともに申し分なく、サラリーキャップスペースなどを考慮すればベストに近い解決策と言える。ヨキッチの酷使を少しでも軽減できれば、レギュラーシーズンでの成績向上と、絶対的エースがポストシーズンにより良いコンディションで臨めるという一石二鳥の効果が期待できる。
また、ナゲッツはベテランのティム・ハーダウェイJr.を1年契約で獲得。昨シーズン、ハーダウェイJr.はピストンズで先発77試合出場、平均11.0得点、2.4リバウンドを記録し、チームの久しぶりとなるプレーオフ進出に貢献した。ナゲッツは前回優勝時にシックスマンとして活躍したブルース・ブラウンとの1年契約に加え、ウイングの底上げにも成功した。
相次ぐベテランの獲得でベンチ層に厚みを増したナゲッツは、王座奪還に向けて着々と準備を進めている。