アンソニー・デイビス

ドラフトまでの補強ではペリカンズが独り勝ち?

5月14日に実施されたドラフトロッタリーの結果、ペリカンズが2019年のドラフト全体1位指名権を獲得した。これにより、6月20日のドラフトまでにアンソニー・デイビスのトレード成立に向けた動きが加速化する可能性が出てきた。

今年のトレードデッドライン前に球団にトレードを要求したデイビスには、チームが1位指名権を獲得した今も残留する考えはないと、『The Athletic』が伝えたばかり。ペリカンズは、デューク大のザイオン・ウィリアムソンを指名することが確実視されているため、同選手を軸に再建を進めていくことになる。となれば、ペリカンズはデイビスを放出する代わりに可能な限りベストな見返りを得るべき。デイビスのトレードには、セルティックス、ニックス、レイカーズらが手を挙げると言われている。

ニックスは、ドラフト1位指名権を条件にデイビスを獲得し、オフにフリーエージェントになるケビン・デュラントとカイリー・アービングと契約という青写真を描いていたと噂されたが、ロッタリーの結果、彼らはドラフト3位指名権を獲得。球団レジェンドのパトリック・ユーイングを代表としてロッタリーに派遣しても運を掴めなかったが、3位指名権も十分に魅力的な交換条件だ。指名権以外にドラフト全体9位で昨年獲得したケビン・ノックスや、若手ビッグマンのミッチェル・ロビンソンを条件に加えれば、ペリカンズも納得するのではないだろうか。

以前からデイビスの獲得に関心を持っていると報じられたセルティックスは、ドラフト14位指名権をキングスから譲渡されるため、すでにNBAで高い評価を受けているジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウンら有能な若手を含めたプランをペリカンズに提示できる。デイビスを獲得できれば、アービングとの再契約交渉にもプラスになる。

そして、今年の2月に若手コアを差し出してまでデイビスの獲得を狙ったと言われるレイカーズも、ドラフト4位指名権という魅力的な交換条件を手にした。もし彼らが若手の育成ではなく、即優勝可能なチーム作りを優先するのなら、ロンゾ・ボール、ブランドン・イングラム、カイル・クーズマら若手コアと指名権を差し出してデイビスを獲得し、オフにフリーエージェントになる大物選手の獲得を狙えばいい。

1位指名権の獲得により、ペリカンズはデイビスの放出を柔軟に考えられるようになった。ドラフトまでの補強で彼らが独り勝ち状態になったとしても、不思議ではないだろう。強運を掴んだペリカンズ関係者のホクホク顔が、目に浮かぶ。