
2戦ともに試合が動いた『第3クォーター』
日環アリーナ栃木で行われた、東地区1位の宇都宮ブレックスと2位の千葉ジェッツによるチャンピオンシップセミファイナルは、第1戦を宇都宮が総合力の高さで押し切り、第2戦では千葉Jが19-0のランで一気に勝負をひっくり返す展開。2戦を終えて1勝1敗、勝負の行方は最終第3戦に持ち越された。
第1戦は千葉Jが立ち上がりにリードを奪い流れをつかんだかに見えたが、宇都宮は若き司令塔の小川敦也を起点に第2クォーターで追いつき、後半はベテランの経験と完成度の差で押し切った。千葉Jは第2クォーターだけで5つのターンオーバーを記録。宇都宮の堅い守備に、24秒までに攻めきれずに終わる場面も目立った上、前半の3ポイントシュートの成功も11本中2本のみとオフェンスが停滞し、84-67と宇都宮が快勝した。
特筆すべきは、比江島慎とD.J・ニュービルが後半に入って一気にペースを上げたことだ。前半無得点だった比江島が後半だけで14得点、ニュービルもトップから迷いなく放つ3ポイントシュートが8本中6本成功と勝負どころでの集中力が際立った。千葉Jもディー・ジェイ・ホグ、ジョン・ムーニー、富樫勇樹ら主力が数字は残したが、田代直希のファウルトラブルもあり、勢いに乗った宇都宮に対して反撃の糸口を見いだせなかった。
第2戦は一転、千葉Jがチームの地力を見せ第3戦に望みをつなぐ74-55の快勝。勝負を決めたのは第3クォーター。ルーキー瀬川琉久のジャンプシュートを皮切りに、クリストファー・スミスとホグの3ポイントシュートや渡邊雄太のバスケット・カウントなど、チーム全体が見事に連動し、19-0のランを叩き出した。宇都宮も序盤はロースコアながら堅い守りで流れを渡さなかった。しかし、後半は完全に主導権を握られ、強度を増した千葉Jのインテンシティに押され、最後まで自分たちのリズムを取り戻せすことができなかった。
ファイナル進出を懸けた第3戦は、5月19日の19時05分から日環アリーナ栃木で開催される。