デビン・ブッカー

ブーデンホルツァーは「とても健全な関係にある」

サンズは空中分解寸前の状況にある。その噂の出どころはNBA解説者のクリス・ヘインズだった。コート上でのハドルやタイムアウトの際にコーチ陣の指示が伝わることを優先し、発言を控えるようにマイク・ブーデンホルツァーがデビン・ブッカーに命じ、ブッカーがそれにショックを受けている、というエピソードだった。

サンズは28勝33敗とレギュラーシーズンが終盤に差し掛かろうとする今も黒星先行で、プレーイン出場の10位まで4ゲーム差の11位。ライバルとの差よりも深刻なのは、いまだ攻守の理想の形を探っている状態で、チーム力が上がっていないことだ。

トレードデッドラインの補強も特効薬としての効果が出ず、チーム作りが行き詰まった感がある中、チームの不協和音がことさらに取り上げられるのは、彼らにとって愉快な事態ではない。普段は批判や憶測に反応しないブッカーが、今回は口を開いた。

「チームが機能しないと、みんな粗探しをし始める。誰かを批判するためにね。今回の話もそうやって出てきたんだろう。僕とコーチの関係は良好だ。同じ考えを共有し、ともに勝利を目指しているんだから当然だよ」

必要な発言を自重するつもりはないとブッカーは言う。「僕はチームが勝つために必要なことをやる。これまでもチームが苦しい時に沈黙し、バラバラになってしまう姿を見てきた。適切なタイミングと場所で自分の意見を発言していくつもりだ」

ブーデンホルツァーもブッカーの意見に同調した。「デビンとは多くの会話を交わしていて、とても健全な関係にあると思う。彼は率直で誠実で現実的であり、そのコミュニケーション能力は素晴らしいものだ。すべてにおいて意見が一致するわけではないが、私は彼の意見を評価しているし、彼も私に対して同じことを考えていると思う」

ケビン・デュラント「噂は無視するに限るよ」

ケビン・デュラントは「噂は無視するに限るよ」と一笑に付した。「チームの周辺で起こる雑音はどうしても耳に入って来るものだ。そういう時はすべてを無視して、影響されないように。この2年間、ずっとこんなことが起きているから理解しているよ。僕らは自分たちの基準に見合ったバスケをすることに集中すべきだ」

しかし、現地3月2日のティンバーウルブズ戦では98-116の大敗を喫した。第1クォーターと第2クォーターで2桁のリードを奪いながら反撃を許し、後半になって相手が抜け出すと押し返せない完敗だった。デュラントは26得点10リバウンド4アシストと奮闘したが、試合後はフラストレーションを隠そうとしなかった。

「負けた理由は簡単で、僕たちが本来あるべき基準に全く達していないからだ。ファンを失望させたし、僕たちも失望した。逆境に直面して浮き足立ってしまう。そのまま対処できずに負けると腹が立つよ」

良いバスケをして勝利を積み重ねれば、不愉快な噂は自然消滅する。そうするつもりでコートに立ったが、実際には逆のことが起きた。デュラントは言う。「順位とかプレーオフの可能性は気にしない。明日やるべきことに集中したい」