アメン・トンプソン

将来有望なチームから優勝候補へとステップアップ

現地1月27日、ロケッツが3連勝を記録した。3連勝は今シーズン4度目で、これまでに4連勝や5連勝も経験しているが、ヒューストンの人々にとって今回の3連勝は、ロケッツが『ハーデン時代』に並ぶチームへと成長した証だ。

なにしろこの3連勝はキャバリアーズとのホーム&アウェー、そして敵地でのセルティックス戦でのこと。サンダーに次ぐ西カンファレンス2位とは言っても、まだレギュラーシーズンは折り返し地点を過ぎたばかりで、強豪揃いで競争の激しい西では2週間後に勢力図が大きく塗り替えられている可能性もある。再建期から脱したばかりのロケッツが『本物』かどうか、それを試すのが強豪相手の3連戦であり、ロケッツはそこで3連勝という100点満点の回答を出した。

しかも、セルティック戦は大熱戦の末に劇的な形での勝利となった。第4クォーター序盤に一度は2桁のビハインドを背負いながらも攻守にセルティックスを上回って猛追。持ち前の激しいディフェンスに加え、3ポイントシュート15本中10本を決めたディロン・ブルックスの大当たりが目立ったが、最後にゲームウィナーを決めたのは急成長中のアメン・トンプソンだった。

ロケッツは残り5秒でジェイソン・テイタムに同点のドライブレイアップを決められており、この時はトンプソンとの1対1だった。対人ディフェンスに自信のあるトンプソンは、やや遅れながらも相手にプレッシャーをかけつつ、タイミングを合わせてシュートブロックを狙ったが、この時はテイタムが左半身でアメンのコンタクトに対抗し、右手でフック気味のシュートを沈めて流石のクラッチ力を見せた。

それでもタイムアウトを挟んでのリスタート、時間のないところでボールを受けたトンプソンは、鋭いドライブでジェイレン・ブラウンを押し込み、急ストップから放ったジャンプシュートを決めた。セルティックスはトンプソンのマークをルーク・コーネットが担当しており、これを慌ててブラウンに変えたのだが準備が整っておらず、ディフェンスは中途半端なものに。それではトンプソンは止められなかった。この連携ミスをジョー・マズーラもブラウンも悔やんだが、時すでに遅し。残り1秒でタイムアウトも残っていないセルティックスに打つ手はなかった。

ロケッツに劇的な勝利をもたらしたトンプソンは「最高に気分が良かった。あのシュートは絶対に入ると確信していた。人生初じゃなくてもNBAで初めてのゲームウィナーだ。コービー・ブライアントになった気分だよ」と喜びを爆発させた。

「僕らは本気で勝つつもりで試合に臨んでいる。どこが相手であっても勝つだけの力があると信じているよ。実際、今回の遠征でそれが証明できたと思う」