ジュリアン・ストローサー

「とにかくすべてが目まぐるしく進み、驚きの連続だ」

ナゲッツは昨シーズンのNBA優勝に貢献したスタートのメンバーを全員残した一方で、シックスマンとして攻守に活躍したブルース・ブラウンとロッカールームのリーダーだったジェフ・グリーンが移籍して選手層が薄くなった。その分、NBAドラフトでは3人の選手を指名している。

そのうちの一人、ジュリアン・ストローサーがプレシーズンゲームでの素晴らしいプレーで早くも台頭しつつある。サンズ戦では21分のプレーでゲームハイの20得点に加え、5リバウンド3アシスト。ブルズ戦では20分のプレーでニコラ・ヨキッチに次ぐ16得点を挙げた。ゴンザガ大で3年間プレーした経験もあり、29位という指名順位以上のパフォーマンスを見せている。

身長204cmの長身ガードで、シュート力が持ち味。サマーリーグでそうだったように、キャッチ&シュートでの3ポイントシュート、自らドリブルしてクリエイトしての3ポイントシュート、ピック&ロールからのフローター、ミドルレンジでのプルアップと様々なシュートを高確率で決めていく。まだ身体の線は細いが、オフボールの一瞬の動きでマークを引きはがし、その一瞬を見逃さないチームメートが彼にパスを送ると、クイックリリースで打点の高いシュートを放つ。

「ゴンザガ大では厳しく鍛えてもらった。プレータイムが少なく、練習から試合と同じぐらいのエナジーを出してアピールしなきゃいけない立場からスタートして、精神的に強くなれた」とストローサーは言う。

その好パフォーマンスを引き出したのは、自分にディフェンスの注意を引き付けてアシストパスを送り続けたジャマール・マレーだ。ストローサーは言う。「ジャマールからは夏の間ずっと『チャンスでは必ずシュートを打て』と言われてきた。練習中にはパスを選択することもあったけど、そのたびに彼は僕の胸を叩いて『打て』と言って、僕に自信を与えてくれた」

「ゴンザガ大の試合だけを見ると、僕はキャッチ&シュートだけの選手に見えるだろうけど、もともと僕はハンドラーで、いろんなプレーができるつもりだ。でも、ヨキッチとジャマールのためにキャッチ&シュートでフロアを広げるのが僕の役割であるなら、その仕事を全うするよ」

そしてあらためて、自分がNBAプレーヤーとなり、優勝チームでヨキッチやマレーと一緒にプレーすることを「とにかくすべてが目まぐるしく進み、驚きの連続だ」と話す。「つい先週まで大学生だったように感じるけど、今はヨキッチのパスをコーナーで待って、その一本を決めることを期待されているし、決めればジャマールがハグしてくれる。頭を整理するのが大変だけど、一つ確かなのは僕がすごく恵まれていることだ」

ヨキッチとマレーとともにコートに立ってシューターとしてプレーするのか、それともレジー・ジャクソンやクリスチャン・ブラウンと組んでセカンドユニットの得点を担うのか。即戦力になるポテンシャルがあっても、勝っているチームのローテーションに食い込むのは簡単ではない。それでもストローサーは上々のスタートを切った。