各チームのスタッツから「攻撃力」と「守備力」を算出
14試合を終えたBリーグは、1週空いて今週末より再開される。これまでのスタッツを下記の計算式に当てはめることで攻撃回数をはじき出し、それに総得点や総失点を割ることで、オフェンスとディフェンスの効率値が算出できる。
攻撃回数 = シュート投試数 + (フリースロー投試数 × 0.44) - オフェンスリバウンド数 + ターンオーバー数
あくまで目安的数字ではあるが、それらの効率値を分かりやすく「攻撃力」および「守備力」としてランキングしてみた。すると、今の順位とは違った強さや弱点が見えてくる。
東地区
順位 | クラブ名(勝敗) | 攻撃力 | 守備力 |
---|---|---|---|
1 | 栃木(12勝2敗) | 2位(+1371) | 1位(-1082) |
2 | A東京(11勝3敗) | 1位(+1436) | 4位(-1283) |
3 | 千葉(7勝7敗) | 3位(+1282) | 3位(-1256) |
4 | 仙台(6勝8敗) | 5位(+1147) | 5位(-1306) |
5 | 北海道(4勝10敗) | 4位(+1188) | 6位(-1390) |
6 | 秋田(3勝11敗) | 6位(+1145) | 2位(-1237) |
中地区
順位 | クラブ名(勝敗) | 攻撃力 | 守備力 |
---|---|---|---|
1 | 川崎(11勝3敗) | 1位(+1478) | 2位(-1287) |
2 | 三遠(9勝5敗) | 3位(+1346) | 3位(-1343) |
3 | 新潟(8勝6敗) | 2位(+1431) | 4位(-1396) |
4 | SR渋谷(8勝6敗) | 5位(+1250) | 1位(-1205) |
5 | 横浜(5勝9敗) | 4位(+1327) | 5位(-1403) |
6 | 富山(1勝13敗) | 6位(+1155) | 3位(-1343) |
西地区
順位 | クラブ名(勝敗) | 攻撃力 | 守備力 |
---|---|---|---|
1 | 三河(10勝4敗) | 1位(+1369) | 2位(-1222) |
2 | 名古屋D(9勝5敗) | 2位(+1341) | 6位(-1306) |
3 | 大阪(7勝7敗) | 3位(+1233) | 1位(-1166) |
4 | 琉球(7勝7敗) | 4位(+1212) | 3位(-1257) |
5 | 京都(6勝8敗) | 5位(+1197) | 4位(-1289) |
6 | 滋賀(2勝12敗) | 6位(+1157) | 5位(-1300) |
富山グラウジーズのポテンシャル
前節で秋田ノーザンハピネッツが78-64でアルバルク東京を下したのは、東地区2位の守備力が勝った証である。西地区で守備力1位の大阪エヴェッサが、11月5日の試合で琉球ゴールデンキングスを57点(〇96-57)に抑えたのも納得だ。攻撃力は、ほぼそのまま今の勝率に現れている。いまだ1勝しか挙げられていない苦しい戦いが続く富山グラウジーズだが、守備力は3位であり、秋田同様に守り勝つことだってできるはずだ。
その富山にはもう一つ、期待される数字が見られた。攻撃力は全体でも最下位だったが、攻撃回数は栃木ブレックスの1試合平均86.6回に続く86.5回と多い。フィールドゴール成功率が38.6%と低いために、攻撃力が上がってこない。逆に言えば、シュート率が改善されれば一気に勝ち星を増やすことができる可能性を秘めている。
開幕前、ボブ・ナッシュは最愛の妻を亡くす不幸に見舞われた。ヘッドコーチ不在で、新戦力とのケミストリー構築や新たに対戦する旧NBL勢の情報を把握できないままシーズンを迎える。城宝匡史、水戸健史と昨シーズンのbjリーグファイナルに押し上げたエースたちに加え、bjリーグで平均12.8点を挙げた岡田優が移籍してきたことで、攻撃力のポテンシャルは高い。1週間空いた中で、ヘッドコーチが戦力を把握しながらケミストリーを向上させることで、これからの巻き返しが大いに期待できる。
攻撃力と守備力から見た注目カード
攻撃力と守備力から見る今週末の注目カードはこの2つ。いずれも1巡目は1勝1敗と譲らぬクラブ同士の対戦となる。
名古屋ダイヤモンドドルフィンズvs琉球ゴールデンキングス
サンロッカーズ渋谷vs三遠ネオフェニックス
18クラブ全体で見ると名古屋Dは攻撃力7位・守備力12位、琉球は攻撃力12位・守備力7位と相反している。10月22日の初対戦では、名古屋Dを58点に抑えた琉球が守備力で勝ちきった。名古屋Dは攻撃回数が一番少ない75.4回のために、守備力は効率悪く全体12位に甘んじているが、失点数は985点でリーグで3番目に少ない。富山の攻撃力同様に、名古屋Dの守備力は好転する要素を持っている。
西地区において攻撃力・守備力ともに3位の三遠ネオフェニックスに対し、サンロッカーズ渋谷は攻撃力5位ながら守備力は1位と守って勝利をつかみたい。前回の対戦は三遠70-68渋谷SR、三遠78-79渋谷SRといずれも1ゴール差の接戦であり、今週末も接戦必須の好カードは見逃せない。
一方で、攻撃力と守備力で格差がある3試合も挙げておこう。
京都ハンナリーズvsシーホース三河
レバンガ北海道vsアルバルク東京
仙台89ERSvs栃木ブレックス
幸い、ビハインドを背負っているクラブはいずれもホームゲームでの戦いとなる。多くのファンが会場を埋め、その声援によっていくらでも結果は変えられる。北海道はジャマール・ソープの復帰が決まり、戦力補強の見込みが立った。15試合目を迎える今週末だが、60試合中まだまだ1/4。本当の勝負はこれからだ。
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