「最初のフローターを決めることができて『やれる』と思った」
ウォリアーズのクレイ・トンプソンが、現地1月9日に本拠地チェイス・センターで行われたキャバリアーズ戦で、実に2年半ぶりとなる実戦復帰を果たした。
2019年のNBAファイナルで左膝前十字靭帯を断裂し、翌年の秋にはアキレス腱断裂の重傷を負って2シーズン続けて全休したトンプソンが、ついにNBAのコートに帰ってきた。彼の復帰を盛り立てようと、ウォリアーズの選手全員が彼のジャージーを着て会場入りし、選手紹介でも一番最後に名前をコールされ、会場中から大歓声で出迎えられた。
トンプソンは先発で試合に出場し、チームの最初の得点となるフローターを決めると、ファン、ベンチも大盛り上がりで後押しした。第2クォーターにはドライブからワンハンドダンクを叩き込む珍しいシーンも見られ、得意の3ポイントシュートも成功させるなど、2年半ぶりの実戦とは思えないプレーを披露。プレータイムは19分に制限されたが、8本中3本の3ポイントシュートを含むフィールドゴール18本中7本の17得点を記録し、チームも96-82で勝利した。
「生涯忘れない一日になった」と試合後のインタビューで語ったトンプソンは、ファンへの感謝を語った。「最初のフローターを決めることができて『やれる』と思った。ただ、試合開始直後は緊張もしていたんだ。試合前から歓声をもらえて、素晴らしいトリビュート動画も作ってもらえて、生涯忘れない一日になった。期待に応えられてうれしいし、ウチのファンは最高だよ。本当に感謝している」
「この場に立てて本当にうれしい。この2年間は辛かった。復帰戦で勝てたのも最高だね。何よりもチームの勝利が大事。感動的な一日になった。復帰戦でダンクを決められるなんて思っていなかったよ」
ヘッドコーチのスティーブ・カーは「クレイはシャイではなかったね!」と会見の冒頭で語ると「最初のプレーは彼のためにセットしたものではなかったが、もう少し彼の力を把握しておくべきだったかも」と続けて笑いを誘った。「彼の得点シーン、選手紹介、いずれも信じられないくらい素晴らしい瞬間だった」
カーによれば、トンプソンは試合後にステフィン・カリーの長男キャノン君から試合球をプレゼントされたという。そしてカーは「2年半もプレーしていなかったのに、彼がプレーする姿を見ても普段通りの日常のように感じた」とも語った。
スプラッシュブラザーズの相棒であるカリーは「選手紹介の時には鳥肌が立った。彼がこれまでに歩んできた道のりを思えば、大歓声を受けて当然だよ」と、トンプソンの復帰を喜んだ。
トンプソンのプレータイムはしばらく制限されるだろうが復帰戦で勝利に貢献するなど、その力は健在だ。トンプソンが戻り、ウォリアーズの勢いは今後さらに増していくに違いない。