川崎ブレイブサンダース

攻守ともに全員が積極的なプレーを見せて流れをつかむ

サンロッカーズ渋谷vs川崎ブレイブサンダースの第2戦は、前日の課題を克服した川崎が86-60で勝利した。

プレッシャーディフェンスで第1戦を圧倒したSR渋谷が、今日も立ち上がりから激しいディフェンスを見せる。ファーストポゼッションからマット・ジャニングに対して関野剛平とジョシュ・ハレルソンがトラップを仕掛けて、ベンドラメ礼生がスティールして速攻へ繋げた。そのベンドラメは第1戦でゲームハイの22得点を挙げたこともあり、この試合では川崎の『守備職人』長谷川技から厳しいマークを受け自由にプレーできなかったが、石井講祐が代わりにハンドラーを務めることでオフェンスを活性化させていく。日本人選手がペイントアタックしてはハレルソンのスペースを作り出して、開始5分で12-5とした。

一方の川崎は第1戦の敗戦を踏まえて、立ち上がりから相手に負けない強度の高いディフェンスを行う。しかし、強度が高いがゆえにファウルもかさんでしまい、良いリズムが作れない。特に長谷川は開始4分で個人ファウル2つとファウルトラブルに陥った。それでも長谷川に代わって入った藤井祐眞が流れを変える。長谷川の強度の高いディフェンスを引き継ぎつつ、オフェンスでは自ら身体を当てながらのアタックでバスケット・カウントを奪う。

さらに川崎はここでオールコートマンツーマンに切り替え、SR渋谷にオフェンスを組み立てさせない。ディフェンスの勢いがオフェンスにも繋がり、落ち着いて自分たちのリズムで得点を重ねていき、第1クォーター残り4分半から13-0のランで一気に逆転し、21-19と川崎のリードで第2クォーターを迎えた。

第2クォーターは序盤こそ一進一退の攻防となったが川崎が抜け出す。セカンドユニットの増田啓介がドライブを決めると、今度はインサイドでディフェンスを引き寄せて篠山竜青の3ポイントシュートをお膳立て。ディフェンスでもスティールするなど攻守に奮闘した。

また、佐藤賢次ヘッドコーチが「今日は相手がショーで出てきたら、どういう攻め方にするのかをみんなで共有して挑めたのがペイントアタックに繋がった」と語ったように、全員が積極的にアタックすることでスペースを作り出していく。それにより、前半だけでニック・ファジーカスが16得点、パブロ・アギラールも11得点と、取るべき選手がしっかりと得点を重ねていった。また、昨日は前半だけで11ターンオーバーを犯したが、この試合では逆に相手から11本のターンオーバーを奪う堅守を見せ、このクォーターを25-12と圧倒した。

46-31と川崎リードで迎えた後半、コートに戻ってきた長谷川がベンドラメからターンオーバーを誘発するなど、またしても守備でチームに勢いを与える。また、SR渋谷がゾーンディフェンスを行ってきたが、川崎は慌てることなく、ファジーカスがミスマッチを突いて着実に得点を重ねて、開始2分間で9-0のランを決めてリードを広げた。SR渋谷のオールコートマンツーマンディフェンスに苦戦した時間帯はあったが、自分たちもディフェンスの強度を落とさないことで相手に主導権を渡さずに、最終スコア86-60で勝利した。

川崎ブレイブサンダース

「大変な状況の中で、2試合をしっかりとやらせていただいたことに感謝」

試合後、川崎の佐藤ヘッドコーチが「今日のテーマは昨日やられたことをやり返すことでした」と語れば、SR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチは「昨日とは真逆の展開になってしまいました」と振り返った。

「昨日はペイント内で18点しか取れませんでしたが、今日は42点。相手のプレッシャーに負けないで、しっかりアタックしてペイント内で得点できたのが良かったです。でも、ウチはディフェンスのチームです。コートに出た選手全員が意識高くプレッシャーをかけて、ディフェンスが終始機能したことが勝因だと思います」と佐藤コーチは言う。

そして、ゲームの主導権を握った前半について、こう振り返った。「最初のプレーでトラップを仕掛けられてターンオーバーになっちゃったので、みんなの気持ちがちょっと引いてしまって重くなってしまいました。それでも少しずつチームで準備していたオフェンスが出てきて、ディフェンスにも勢いが出てウチのペースになりました」

また、Bリーグでは新型コロナウイルスの影響で中止になる試合が多く、B1の全11カードのうち2試合とも開催できたのは、このSR渋谷vs川崎戦と富山グラウジーズvs秋田ノーザンハピネッツ戦のみだ。佐藤コーチは「大変な状況の中で、2試合をしっかりとやらせていただいたことに感謝しています」とコメントした。