オフェンスからリズムをつかみ、後半に65点を奪取
富山グラウジーズがホームに秋田ノーザンハピネッツを迎えた一戦は、オフェンスからリズムをつかみ、第3クォーターに36点を奪った富山が99-91の逆転勝利を飾った。
試合序盤、秋田はシュートタッチの良い古川孝敏がオフボールスクリーンからマークを外し、次々とシュートを沈めて9得点を挙げる。田口成浩も3ポイントシュートを成功させるなど、アウトサイドシュートを軸にオフェンスを展開した。一方の富山はジョシュア・スミスとブライス・ジョンソンのポストプレーを強調して対抗。3ポイントシュートを打たせようと引き気味に守る相手に対し、宇都直輝がミドルシュートを高確率で決めて、第1クォーターを20-20の同点で終えた。
だが第2クォーターに入ると、ディフェンスからペースをつかんだ秋田が主導権を握る。ジョンソンのインサイドプレーに手を焼いたが、ペイントエリアにボールが入った瞬間に寄せるディフェンスが機能し、このクォーターだけで7本のターンオーバーを誘発した。また、前線からボールマンにプレッシャーを与えた長谷川暢のディフェンスが効き、富山のオフェンスリズムを狂わせると、リバウンドから速い展開に持ち込む得意のスタイルが出始めた。
こうしてリズムが生まれた秋田は長谷川がランニングプレーに3ポイントシュート成功で9得点を固めれば、アレックス・デイビスもインサイドでしぶとくスコアしていく。ベンチポイントで17得点を記録したように、セカンドユニットになっても力が落ちない秋田がこのクォーターを27-14と圧倒した。
後半に入ると、水戸健史がチームとして初めての3ポイントシュートを沈め、宇都も速攻を決めるなど流れが富山に行きかけたが、長谷川がそれを許さなかった。長谷川はすぐさま3ポイントシュートを決め返すと、さらにスティールからアンスポーツマンライクファウルを誘発し、これで得たポゼッションでも3ポイントシュートを沈めた。
なかなかリズムが来ない苦しい展開の富山だったが、インサイドのアドバンテージを生かして反撃を開始する。スミスのセカンドチャンスポイントで繋ぐと、ジュリアン・マブンガがディープスリーを沈めて点差を1桁に戻し、小野龍猛が田口とのミスマッチを突き、円熟のポストプレーから連続でスコアした。さらに小野はアーリーオフェンスから3ポイントシュートも沈め、約3分間で9得点の固め打ちを見せた。こうして、このクォーターで36点を奪った富山が70-69と逆転した。
最終クォーターに入っても、ドワイト・ラモスのオフェンス力が爆発した富山がペースを握る。ラモスは3ポイントシュートにドライブ、速攻と様々なフィニッシュの仕方で得点を量産し、このクォーターだけで16得点を奪い、開始3分半で2桁のリードをもたらした。
秋田はゾーンディフェンスを崩し、しっかりとミドルレンジのシュートを決めていったが、フリーの3ポイントシュートを決め切れず流れに乗れない。さらに失点を防げなかったことで、トランジションに持ち込めずに最後まで自分たちの流れを持ってこれなかった。
こうして、オフェンスが機能し、後半のターンオーバーを4に抑えた富山が逃げ切った。勝敗が決した残り10秒には、浜口炎ヘッドコーチに代わり、ヘッドコーチ代行を務めた山口祐希が出場。富山にとっては価値のある1勝となった。