ケビン・ラブ

「導いてくれるベテランに恵まれなかった」過去が、今のプラスに

現地12月13日に行われたヒートvsキャバリアーズの一戦は、ケビン・ラブが後半だけで23得点と大当たりし、キャブズが105-94で勝利した。

再建段階にあるキャブズは、開幕前の時点で今シーズンも下位が定位置と言われていた。ところがリッキー・ルビオやラブといったベテランと若手の力が噛み合い、試合を重ねるごとにチームとして成長しており、4連勝で東カンファレンス4位に浮上した。

ベンチからの出場で、しかも後半だけでシーズンハイの得点を叩き出したラブは「全員が同じ目標を持ってプレーしている」と語る。「このチームの全員にチームを勝利に導くだけの力がある。チームにエネルギーをもたらし、勝利に導く選手が揃っているんだ。僕たちはチーム一丸となっているし、チームメートが毎日努力する姿、同じ目標を持ってプレーしている姿を見られるのは本当にうれしい」

ラブは、試合後の会見で「チームの全員が一生懸命に努力していて、そういう姿勢は伝わる」ともコメント。また、ティンバーウルブズ時代も同じ釜の飯を食った間柄であり、この試合で通算5000アシストを達成したルビオを称えることも忘れなかった。

「リッキーとは、彼がミネソタでプレーしていた時から連絡を取り合ってきた。彼が何かを成し遂げるたびに祝福していたんだ。彼は10年前にルーキーで、僕も彼もお互いにまだ選手として成熟していなかった。当時の僕らは、このリーグで成功を収める上で導いてくれるベテランに恵まれなかった。それでもお互いに成長して今に至っている。これはチーム内での責任や役割を受け入れるだけではなく、自分自身の経験によるところも大きい」

まだまだ序盤戦で気が早いとはいえ、この調子を維持し、チームの成長が止まらなければ、4年ぶりのプレーオフ進出もあり得る。ラブは「大きな目標のために日々努力しているけど、まずは目の前のことに集中したい」と、ベテランらしく気を緩めていない。

ヘッドコーチのJ.B.ビッカースタッフは「ケビンは頂点に立ったことがある選手だ。その経験でチームを引っ張ってくれている。チームのために力を尽くしてくれている」とラブを称えた。

ヒートはジミー・バトラーやバム・アデバヨを欠く苦しい陣容だったが、それでも勝ったキャブズの実力は評価されるべきだ。キャブズはレブロン・ジェームズ、カイリー・アービング、ラブの『ビッグ3』時代の終焉から長く勝てない時期を過ごした。それでも、ようやくベテランと若手が噛み合い、このリーグにおいて侮れない存在になろうとしている。