2010年の世界選手権で『ラ・ボンバ』のプレーを体感
先週アンダーアーマーのイベントで来日したウォリアーズのステフィン・カリーは、現役選手のなかでNBAベストシューターの名を欲しいままにしている。そのカリーが虜になったシューターがいた。スペイン代表歴代最多となる251試合に出場したレジェンド、フアン・カルロス・ナバーロだ。
8月中旬に20年間所属したバルセロナを通して現役引退を発表したナバーロとカリーの接点は、2010年の8月にトルコで開催されたバスケットボール世界選手権(現FIBAバスケットボール・ワールドカップ)だった。同大会にアメリカ代表として出場したカリーは、ナバーロのスペインと激突することはなかったが、大会中に欧州最高のシューターと呼ばれた彼のプレーを間近で見て興奮したという。スペインのテレビ局『La Sexta』のインタビューを受けたカリーは、「フアン・カルロス・ナバーロは、スペイン代表の中でも好きな選手。僕も出場した2010年の世界選手権で、彼は片足を軸に跳躍して3ポイントシュートを決めていた。あのプレーは、真似したいと思ったね」と語った。
ナバーロは、2008年の北京大会で銀メダル、2012年のロンドン大会で銀メダル、2016年のリオ大会で銅メダルに輝いた他、ギリシャと対戦した2006年のFIBA世界選手権決勝では、エースのパウ・ガソルが負傷欠場したなかでチームトップタイの20得点を挙げて勝利に貢献し、スペインを世界一へと導いた。バルセロナでは2回のユーロリーグ制覇を含む実に35個のチームタイトルと9度のMVPに輝くなど、欧州のバスケットボールを代表する選手だった。
ナバーロは、グリズリーズの選手として2007-08シーズンだけNBAでプレー。平均10.9得点、2.6リバウンド、2.2アシストを記録してオールルーキー・セカンドチームに選出されるも、わずか1年で退団し、バルセロナに復帰した。2009年のドラフト全体7位で指名されたカリーと交わることはなかったが、もし対戦する機会に恵まれていたら、その後の彼のプレースタイルに影響を与えていたかもしれない。