サンロッカーズ渋谷

マンツーマンを攻略した直後、ゾーンディフェンスをも無効化

サンロッカーズ渋谷vs滋賀レイクスターズの第2戦。

互いに点を取り合い拮抗した展開となったが、第1クォーター最後のポゼッションでベンドラメ礼生が3ポイントシュートを沈め、25-22とリードしたSR渋谷が最初にリズムをつかむ。第2クォーターに入り、トランジションから盛實海翔が3ポイントシュートを沈め、西野曜が合わせから連続でインサイドで得点を決める。内外バランスの良いオフェンスから広瀬健太の3ポイントシュートも決まり、SR渋谷は開始約2分半で9点のリードを奪った。

しかし、滋賀はターンオーバー誘発からの3ポイントシュート攻勢で反撃に転じる。ビッグマンのポストプレーが始まった瞬間にそのドリブルを狙ってボールを弾くと、マイボールにして相手の守備陣形が整わないうちにシュートへと持ち込んだ。第1クォーターですでに2本の3ポイントシュートを成功させていた小澤智将がこのトランジションオフェンスのフィニッシャーとなり、このクォーターでも4本連続で3ポイントシュートを決めたことで、48-44と逆転して前半を終えた。

それでも後半に入るとSR渋谷がペースを取り戻す。軽率なターンオーバーを減らしたことで滋賀の速攻の機会を最低限に抑えると、しっかりとスクリーンをヒットさせてズレを作るハーフコートオフェンスが機能し、内外から得点を重ねた。対応に困った滋賀はゾーンディフェンスに切り替えるも、SR渋谷はドライブでディフェンスを収縮させ、キックアウトから田渡修人が2本連続で3ポイントシュートを射抜く。こうしてゾーンの弱点でもある3ポイントシュートを効果的に成功させたことで勢いに乗ったSR渋谷は、滋賀がタイムアウトを取った直後にオールコートプレスから5秒バイオレーションを誘発。そして、高橋耕陽がリードを2桁に乗せるドライビングレイアップを決め、30-16のビッグクォーターを作り出した。

サンロッカーズ渋谷

前半にリードを許すも「そんなに居心地は悪くなかった」

プレータイムが偏る滋賀に対し、SR渋谷はチームカラーでもあるタイムシェアで常にフレッシュな選手がプレーして付け入る隙を与えず、最終スコア95-82で勝利した。

滋賀の保田尭之ヘッドコーチ代行はビッグクォーターとなった第3クォーターを一番の敗因に挙げた。「特に第3クォーターに自分たちのリズムを失ったことが大きかったです。マンツーマンで耐えていきたかったところでリズムがつかめず、プランBのゾーンが機能しなかった。そこで多くの得点をリカバーさせてしまった。すべては第3クォーター、ディフェンスからオフェンスにエナジーを与え切れなかったところが大きな敗因です」

一方、逆転勝利を飾ったSR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチは「警戒はしていたけど、小澤選手にハイパーセントで3ポイントシュートを決められてしまい劣勢になった。でもそれは滋賀の得点パターンではないので、そんなに居心地は悪くなかった」と語り、懐の深さを感じさせた。

実際に後半は小澤を2得点に封じるなど、相手にやりたいバスケをさせず、連動したハーフコートバスケットを展開して危なげない勝利を飾った。大黒柱のライアン・ケリーが開幕早々に離脱したにもかかわらず、成熟度の上がったチームバスケットで、激戦の東地区で3位をキープしている。