中山拓哉

難敵、長崎に競り勝つ「B3のチームだからとは一切考えていなかった」

秋田ノーザンハピネッツは昨日、長崎ヴェルカに102-92で勝利した。

相手はB3初参入ながらB1経験のある選手を数多く擁し、B1まで最短で上がることを現実的な目標に据えているチームであり、目の前の一戦に全力を注いでアップセットを狙ってくる。対する秋田は3連戦を勝ち抜いて4次ラウンドに進出するのが目標で、ある程度は先を見越した選手起用と戦い方をしている。そして長崎も秋田も、前から激しくプレッシャーを掛けてトランジションに転じる、同じバスケを志向するチームだ。前日にサンロッカーズ渋谷を撃破して勢いに乗っている長崎は、明らかに『ヤバい相手』だった。

それでも中山拓哉はこの対戦を「楽しみにしていました」と語る。「去年まで一緒にやってた選手やコーチとの対戦は楽しみだったし、長崎のコンセプトやスタイルが僕たちに似ている部分が多かったので、そういうチームと戦えて良かったです」

3連戦を見据えた選手起用はあくまでスタッフ陣が考えるもの。中山は目の前の試合に集中し、与えられたプレータイムの中でやるべき仕事をやろうとしていた。「もともとB1でやっていた選手が多く、チームとして力があるのは分かっていました。渋谷さんに勝っていたこともあって、B3のチームだからとは一切考えていなくて、B1のチームとやるつもりで今日は臨みました」

「長崎さんがハードにプレッシャーをかけてきていたので、ディフェンスに対して受け身になるよりアタックした方が良いと思って積極的にやりました。チームとしてもそういう狙いだったので、ある程度はうまくやれたと思います」

同じスタイルであれば、徹底してやり続けている自分たちに分がある。その点で中山に迷いはなく、その前向きな姿勢はチームメートにも伝播した。「相手がアグレッシブにディフェンスをするチームで、プレッシャーを掛けに来ていたので、向こう以上にアグレッシブにやろうと思いました」

他のどのチームよりもハードワークして、ボールに食らい付く。ケガ人を抱えながら、そのバスケを3日連続で貫くのは大変だろう。今日13時からの京都ハンナリーズとの試合に勝てば4次ラウンド進出が決まるが、3連戦の3試合目は未知の領域だ。

「2試合は普段からあるので今は大丈夫です。明日に身体がどうなるか、試合でどうなるか分からないんですけど、自分たちがやらなきゃいけないことは変わらないので、どんな状況になってもタフにやり続けたい。身体のことは気にせずやり続けなきゃいけないと思っています」

苦しいのは相手も同じ。京都もケガ人を抱えながら3日連続の試合に臨むわけで、中山の言う「やらなきゃいけないことをやり続ける」というシンプルな一点をどれだけ貫くことができるかが勝敗のカギとなりそうだ。