古巣を相手に14得点14リバウンド2ブロックの大暴れ
アルバルク東京は昨日行われた千葉ジェッツとの首位攻防戦に72-65で勝利し、連勝を5に伸ばした。
スコアが示すようにディフェンシブな展開となり、A東京を指揮するルカ・パヴィチェヴィッチも当然のようにディフェンスの勝利を強調した。千葉と対戦するにあたり、彼は3つのポイントを特に重要視していたという。
「1つ目は爆発力のあるオフェンス力を持っているので、チームでファストブレイクポイントを抑えること。2つ目はリバウンドが非常に強いので、相手のビッグマンや飛び込んでくるウイングのセカンドチャンスポイントをいかに与えないか。そして3つ目が(富樫) 勇樹の1on1、ピック&ロールをチーム全体で守ることでした」
富樫には第1クォーター序盤に5得点を奪われたが、その後は無失点に抑えた。速攻の得点は7-9と上回られたが、最低限に抑えたと言える。そして、オフェンスリバウンドはともに12本となり、イニシアチブを与えなかった。指揮官が求めるプレーを選手が体現したからこその勝利だった。
3つのうちの1つ、リバウンド面で大きくチームに貢献したのが、チームハイの14リバウンドを記録したセバスチャン・サイズだ。また、勝利を決定づけた終盤のブロックショットに加え、ジョーダン・テイラーに次ぐ14得点のダブル・ダブルを達成するなど、その存在感は攻守両面で際立った。
サイズもディフェンスが勝因と振り返った。「第1クォーターは千葉に連続得点されたけど、特にディフェンス面で自分たちのペースに持っていくことができた。両チームとも最初から最後までハードに戦って、結果的に勝利できてとてもうれしい」
近年のBリーグではディフェンスに重きを置くチームが多い。それは宇都宮ブレックスやA東京など、ディフェンスを重視するチームがBリーグを制してきた歴史があるからだ。だからといって、ディフェンスの得意な選手だけを集めても機能するとは限らない。サイズも「ソリッドなディフェンスがアルバルクのチームカラーだけど、これは1人じゃなく12人全員が一丸となることで生まれる」と、『個』ではなく『集』の総合力が本物のディフェンス力を生むと説いた。
「お互いの感謝の気持ちを試合前に共有できた」
今オフに千葉からA東京に移籍したサイズにとって、昨日の試合は古巣との対戦となった。そのため、様々な思いが交差したという。「千葉には素晴らしいチームメートがいて、最高の思い出がたくさんある中で、敵として船橋アリーナにやってきた。僕のTシャツやタオルを持ったファンもいて、温かい声援を感じながらの試合だったから複雑な気持ちだった。昨シーズンに最高の結果を残したから、お互いの感謝の気持ちを試合前に共有できた」
実際に選手紹介の時には、敵であるサイズに大きな拍手が送られた。それはBリーグになって常に強豪であっても昨シーズンまで優勝にあと一歩届かなかった千葉にとって、サイズがどれだけ大きな存在だったかを示していた。練習の締めで行われるスクリメージが1勝1敗で終わった時に「このままでは終われない」と発言し、練習中から勝者のメンタリティを注入したのは、他でもないサイズだ。その結果、チームは悲願の優勝を成し遂げた。
それでも、プロのアスリートとして気持ちを切り替えたサイズは、前述の通り素晴らしいパフォーマンスを見せてチームを勝利へ導き「今のチームで勝ててホッとしている」と語った。自身が抜けたとはいえ千葉が前年度王者であるのは変わらず、優勝候補に勝てたことは自信に繋がる。サイズも「僕らがディフェンスチームということは重々知っている。爆発力のある千葉を65点に抑えたことは、ディフェンスが機能した結果」と胸を張った。
千葉にとっては脅威となり、A東京にとっては頼もしいサイズのパフォーマンスが、本日の第2戦の行方を左右する。
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