30分間リードするも、最終クォーターに10-28と失速
千葉ジェッツのホーム開幕節、秋田ノーザンハピネッツとの第2戦。秋田はディフェンスが機能し、3ポイントシュート攻勢で第3クォーターまでリードしたが、最終クォーターに10-28と大きく崩れ、73-90で敗れた。
秋田は第1戦に引き続きコルトン・アイバーソンと伊藤駿が肉離れで欠場、さらに川嶋勇人も2試合連続で欠場と、苦しいローテーションを強いられた。それでも、チームの神髄であるハードワークに加え、3ポイントシュート攻勢で主導権を握った。
特に序盤は素早いリスタートから大浦颯太の3ポイントシュート成功、さらに相手のリスタートで中山拓哉がボールを奪い、古川孝敏が3ポイントシュートを成功させるなど、素晴らしいプレーを連発。ジョーダン・グリンが個人2つ目のファウルでベンチに下がるが、王偉嘉が合わせからインサイドで得点し、ギャビン・エドワーズをブロックするなど『繋ぎ』以上の働きを見せる。アウトサイドシュートに当たりが来ない千葉とは対照的に、8本中6本の3ポイントシュートを成功させた秋田が26-17とリードして第1クォーターを終えた。
その後も秋田はダブルチームを織り交ぜた攻撃的なディフェンスに加え、素早いローテーションでインサイドの失点を最小限に抑えたことで、37-33とリードを保ったまま試合を折り返した。
後半に入っても秋田のディフェンスは機能していたが、ファウルトラブルによって徐々に風向きが変わっていく。インサイドを強調してきた千葉の厚みのあるオフェンスに耐え切れずファウルがかさみ、開始3分半でアレックス・デイビスが個人4つ目のファウルでベンチに下がった。微妙な判定も多々あり、ベンチテクニカルをコールされるなど、審判の笛にアジャストできなかった秋田はこのクォーターだけで16本ものフリースローを与えることになった。それでも、グリンが5本中4本の3ポイントシュート成功を含む18得点の荒稼ぎを見せ、わずかにリードして最終クォーターを迎えた。
我慢を続けてきた秋田だったが、ラスト10分間でその気持ちが切れてしまった。開始1分、クリストファー・スミスに3ポイントシュートを決められ逆転を許すと、ターンオーバーからジョン・ムーニーに速攻を許しタイムアウトを要請した。悪い流れを止めたいところだったが、セカンドチャンスポイントやターンオーバーからの失点が相次ぎ、リズムを失ったことでシュートが決まらない。長谷川暢がミドルシュートを沈めてオフィシャルタイムアウトを迎えたが、その間に4-17と走られた。その後、我慢から解放されイキイキとプレーする千葉を逆転する力は秋田に残されておらず、最終スコア73-90で敗れた。
敗れはしたものの、前日に24点差の大敗を喫しながら、我慢を続けて第3クォーターまでリードした秋田のプレーは称賛に値する。前田顕蔵ヘッドコーチも「昨シーズンは1試合目に競って、2試合目にボコボコにされたんですけど、今日の選手たちの頑張りは非常に可能性を感じましたし、価値のあるゲームだったと思っています」と話し、どこか清々しさを感じさせた。その一方で「本当にみんな頑張っていたので、勝たせたてあげたかった」との言葉を残し、会見を後にした。
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