茨城は足を動かす宇都宮のディフェンスに対しズレを作ることができず
宇都宮ブレックスが茨城ロボッツのホームに乗り込んだ第3節のGAME1は、88-66で宇都宮が勝利した。
立ち上がりはともにインテンシティの高いディフェンスを見せ拮抗する。その中で、スペースを生かして攻める宇都宮に対して、茨城は宇都宮の足を動かす守備に苦戦し、なかなかズレを作ることができない。そのためシュート試投数は多いもののタフショットとなり、リズムに乗ることができない。
一方の宇都宮は、ジョシュ・スコット以外の得点が序盤はなかなか伸びなかったが、ベンチから出場したチェイス・フィーラーがコートに入ってすぐポストプレーを決めると、同じくセカンドユニットの渡邉裕規もボールプッシュしてチームに勢いを与えた。また途中からフィーラー、スコット、竹内公輔のビッグラインナップを敷くことで茨城をペイントエリア内に入れさせず、アウトサイドからタフショットを打たせてはリバウンドを奪って主導権を握り、残り約5分を9-0のランで突き放し、第1クォーターを21-11で終えた。
第2クォーターに入っても鵤誠司や比江島慎のバックコート陣がドライブでディフェンスを揺さぶっては、スコットやアイザック・フォトゥのスペースを生み出し、リズム良く得点を重ねた。第1クォーターとは異なり、このクォーターの宇都宮はトランジションバスケを展開して茨城を突き放す。遠藤祐亮のスティールから生まれたラストポゼッションで田臥勇太が終了間際にレイアップシュートを沈めて、43-26で試合を折り返した。
後半に入っても宇都宮は固いディフェンスで主導権を握り、試合を支配する。最終クォーターの残り約7分半、渡邉のアシストから喜多川修平がジャンプシュートを沈めて80-50とリードを30点に広げて、勝利を決定付けた。
この試合の宇都宮はインサイド陣の活躍が目立ち、特にスコットは絶好調で21得点12リバウンドのダブル・ダブルを記録した。フォトゥも26得点を挙げ、得点こそこの2人が多く記録したが、彼らが攻めやすいようにチームでスペースを作り出すバスケで勝利をつかみ取った。
安齋竜三ヘッドコーチは、試合をこう総括した。「今日はディフェンスの強度を高く保つこととリバウンドをチームの目標として立てて、試合に入りました。全体を通して良いディフェンスができましたけど、出だしは茨城さんも速い展開だったので、なかなか捕まえることができずに流れを持ってこられませんでした。ただ、途中からウチがやりたいディフェンスをできた結果が、勝利に繋がったと思います」
この試合では21本中4本の成功と宇都宮の3ポイントシュートは不調だったが、インサイドを中心に攻めることで得点を重ねた。安齋コーチはインサイド陣が今シーズンの宇都宮の強みだと語る。「今シーズンはインサイドの力がウチのチームにとってはかなり大きいです。そこを狙いながら攻めて、そこがダメだったら他に展開するという動きを練習からやっているので、今日も良かったと思います」
グレスマンコーチ「自分たちの道のりはまだまだ長いと痛感します」
一方、茨城は敗れたものの、最後まで攻守に渡って足を止めることなく宇都宮に挑み続けた。リバウンド数では37-40とほぼ互角に渡り合ったが、ファストブレイクでは4-14とされ、ターンオーバーは18本、そしてフィールドゴール成功率も38%に留まるなど、リーグ屈指のディフェンス力を持つ宇都宮を前に思うようなバスケットができなかった。
リチャード・グレスマンヘッドコーチは、会見の第一声で「コーチ歴の中でも、これまでとは全く違う経験でした」と試合を振り返った。「自分自身は前向きに進んでいこうと思います。選手にとってもコーチにとってもスタッフにとっても、このB1での機会は素晴らしいことです。ただ、ブレックスのような素晴らしいチームと戦うと、自分たちの道のりはまだまだ長いと痛感します。こういうゲームの時は、戦術の前にどういう姿勢で戦うのか、ポジティブに前向きに戦って日々チームとして良くなっていくことを心がけながら戦っていきたいです」
グレスマンコーチは「ブレックスは素晴らしいチーム」と宇都宮を称えた上で、明日の第2戦で自分たちがやるべきことをこう語った。「彼らはハイレベルのディフェンスをしてくるチームで、メンバーチェンジを継続的にできる選手層の厚さを持っています。この前の4試合を含めてもタフなゲームで素晴らしい経験でした。ただ、明日はより高いレベルでのエクスキューションをしなければいけません。中途半端なことはせず、スクリーンやカッティングの角度とか、そういう細かいところまで意識してやることが必要になってきます」
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