「自分がこれだと思う意思に忠実でいたい。それで悪者にされるなら仕方ない」
カイリー・アービングとネッツの距離が離れた。新型コロナウイルスのワクチンを接種しないカイリーは、ニューヨーク市のルールによりホームゲーム全試合に出場できない。開幕を来週に控えてネッツは、カイリーを敵地での試合でだけプレーさせるのではなく、問題が解決するまでチームから外す決断を下した。
この措置は、カイリーに加えてケビン・デュラントとジェームズ・ハーデン、ヘッドコーチのスティーブ・ナッシュ、ショーン・マークスGMにより協議され、最終的にはオーナーのチャイ・ツィーが決断したものだとマークスGMは認めている。
これを受けて、カイリーはInstagram Liveでメッセージを送った。「ニューヨークで暮らし、チームにいるためには、ワクチンを接種しなければならない。僕は接種しないことを選んだ。みんなにはこの選択を尊重してもらいたい。僕は自分の信じるものに基づいて行動する。アンチワクチンとか、どちら派に属するかの話じゃないんだ。僕は自分がこれだと思う意思に忠実でいたい。物事に疑問を持ち、時間をかけて自分の人生を決めていきたい。それで悪者にされるなら仕方ない」
プレーできない状況を受けて、心穏やかではいられない。カイリーはこう続ける。「合理的に考えろ、という意見があるのは分かっているけど、僕たちは歴史上で最もクレイジーなパンデミックからようやく抜け出したばかりだ。合理的って何なんだ? ワクチンの接種は強制しないという約束だった。それが開幕が近づいたら変わってしまった。僕はこうなるとは思っていなかった」
そして彼は重大な発言でメッセージを締めくくっている。「こんな形で引退するつもりはない。まだやるべきことは多いんだ」
カイリーはネッツとの契約を2022-23シーズンまで残しているが、最終年はプレーヤーオプションであり、来年夏にはフリーエージェントになることができる。こうなるとカイリーのトレードがにわかに現実味を帯びてくる。NBAは各チームにそれぞれの自治体のルールを守るよう求めており、大都市は基準が厳しい傾向にある。ネッツとニックスが本拠地を置くニューヨークの他、ロサンゼルスとサンフランシスコでは、公共のアリーナでワクチン未接種の選手が活動することを認めていない。
逆に言えば、それ以外の都市のチームに移籍すれば、ほとんどの試合に出られるようになる。現状ではネッツがカイリーとの契約を延長することはあり得ない。そうなれば、早急にトレードを成立させて何らかの見返りを求めたいところだ。