盛實海翔の連続3ポイントシュートをきっかけにオフェンスのリズムをつかむ
サンロッカーズ渋谷が名古屋ダイヤモンドドルフィンズを迎えた開幕節の第2戦、93-88でSR渋谷が勝利した。
立ち上がりから拮抗した戦いが続いたが、17-16とSR渋谷の1点リードで迎えた第2クォーターに試合が動き出す。結果的にはこのクォーターを32-16と圧倒したSR渋谷が、ここで得た貯金を最後まで守り切ることで勝利をつかんだ。
残り約7分半で盛實海翔が連続3ポイントシュートを決めたのをきっかけにSR渋谷がオフェンスでのリズムをつかむ。この日のSR渋谷は、ゲーム序盤から一貫性のあるディフェンスはできていたが、オフェンスは重く、自分たちのリズムで攻めることができていなかった。そんな中で、ベンドラメ礼生のオフェンスリバウンドと広瀬健太のスティールから生まれたポゼッションで盛實が3ポイントシュートを決め切ることで先手を取った。盛實に続くように広瀬、西野曜、石井講祐も3ポイントシュートを沈め、高橋耕陽もワンフェイクからのミドルジャンパーを決めて名古屋Dを突き放した。こうして第2クォーターを32-16と圧倒し、49-32で前半を終えた。
このままSR渋谷のペースで試合が進むかと思われたが、伊佐勉ヘッドコーチが「前半は良いディフェンスができていました。後半も悪くはなかったですが、のらりくらりと相手に合わせるような感じで、途中で選手にはおかしな試合になると伝えた」と試合後に振り返ったように、試合の主導権は相手に移る。
後半の名古屋Dは齋藤拓実がボールプッシュし速い展開へと持ち込み、コティ・クラークとのホットラインが爆発し、2人とも放った3本の3ポイントシュートすべてを成功させ、このクォーターだけでそれぞれ13得点を記録して点差を縮めていった。
デニスコーチ「前半の点差が大きすぎて、乗り越えることができなかった」
一時はSR渋谷が19得点もリードをしていたが、第4クォーターの残り2分半の時点では86-84と2点差にまで名古屋Dに詰められた。しかし、迫り来る名古屋Dの流れを断ち切ったのがジョシュ・ハレルソンだ。ハレルソンはベンドラメとのスクリーンプレーから次々とシュートを放ち、第4クォーターだけで3本の3ポイントシュートを含む11得点を記録。名古屋Dから1ポゼッション差まで詰められるたびに、ハレルソンがシュートを決め切ることでリードを守り切った。
勝利したSR渋谷の伊佐コーチは「前半で17点リードをして、後半は『そこを守ろうとするな』と言って送り出したけど、どこかスコアを見ながらプレーしていた」と言う。
それでも伊佐コーチは「タイムアウトの時に『自分たちでまいたタネは自分たちで修正しろ』と話しました」と語った。「クロスゲームにはしたくなかったけど、良い経験になりました。タイムアウトが2つ残っていて、いつ使おうかと思っていましたが、選手が自分たちでゲームを戻してくれました」
一方、敗れた名古屋Dのショーン・デニスヘッドコーチは、「出だしは昨日よりも良かったです」としつつも、ビッグクォーターを許した第2クォーターを悔やんだ。「第2クォーターはシュートが入らない時間が続いて、自信をなくしてしまった。前半だけでターンオーバーから13失点して、17点のリードを許してしまいました。ハレルソン選手の3ポイントシュートはスカウティングはしていたけど、それを超えたものでした。前半での点差が大きすぎて、それを乗り越えることができませんでした」
昨シーズンは開幕節で連敗を喫したSR渋谷だが、今シーズンはクロスゲームを制し、連勝スタートを切った。一方、敗れた名古屋Dもベストメンバーが揃っていたわけではない中で、19点のリードを2点差にまで縮められたのは収穫だ。残りの58試合で両チームがどんなバスケットを見せていくのか楽しみだ。