中田珠未

前回大会は学生唯一の代表メンバーとして出場

東京オリンピックで銀メダル獲得の快挙を成し遂げたバスケットボール女子日本代表は現在、9月27日からヨルダンで開催されるアジアカップに向けて強化合宿を行っている。

日本代表はアジアカップ4連覇中で、今大会の目標はもちろん5連覇を達成すること。それがチームの目標であり、それぞれがその目標達成のために毎日の練習に励んでいる。

今回のアジアカップは中田珠未にとって、自身2度目の大会だ。2019年に行われた前回大会は、一度は代表メンバーから外れたものの、谷村里佳が大会直前にケガをしたため追加招集された。

前回大会では3試合に出場して平均プレータイム11.9分で1.3得点、4.0リバウンド、1.7アシストを記録。4連覇を成し遂げたチームの一員ではあったが、「あまり貢献したとは思えなかった」と中田は言う。

「前回の4連覇した時の大会は、谷村さんがケガをして代わりに入りました。試合に出ることは少ない中、優勝はうれしかったですが、あまり貢献したとは思えませんでした。『応援していた』ではないですけど、そっち側の立場にいたので、今回はしっかり絡んで『貢献できた』という思いを持って優勝することが目標です」

前回大会の時は唯一の学生だった中田だが、昨シーズンにWリーグデビューを果たした。学生の時とWリーグの選手になった今とでは、心の余裕に変化があると言う。

「前回はまだ大学生で、学生とWリーグの選手との差をすごく感じることが多くて、付いていくのに必死でした。でも、昨シーズンからWリーグを経験して、余裕を持ってプレーできる部分が大きくなったと思います。心に余裕ができたことが、プレーにも良い感じに影響しているのかなと思います」

中田珠未

「Wリーグを経験して、余裕を持ってプレーできる部分が大きくなった」

183cmのサイズ以上にアスリート能力の高さが目を引く中田の存在は日本代表にとっても大きい。中田は「持ち味であるドライブやオフェンスリバウンドを強調できたらと思います」と意気込みを語った。

「チームに求められていることも同じだと思うので、やるべきことをやるだけです。このチームが練習を開始して2週間ぐらい経ちますけど、最初は決まりごとが多くて難しい部分もありました。でも、チーム内でゲームをしたりする中で、覚えたことを必死にやるというよりは、身体に染み付いてきて自然とできるようになってきたので、アジアカップまでにその精度を上げていきたいです」

現在の代表候補メンバーは13人で、本大会にエントリーするのは12名だ。まだまだ厳しい選手選考は続いているが、平均年齢22.8歳とフレッシュなメンバーが揃う新生日本代表が、アジアカップ5連覇を成し遂げ、今までの先輩たちが築き上げた歴史を繋ぐことに期待したい。