ブルズ

「ブルズはウォリアーズみたいなことをしようとしている」

NBAのオフシーズンは忙しく、この夏も移籍市場は活発な動きを見せた。最も話題となったのはレイカーズのラッセル・ウェストブルック獲得だが、ブルズも積極的に補強を行なったチームの一つだ。

2017年にジミー・バトラーを放出したのを皮切りに、ブルズはドウェイン・ウェイドやラジョン・ロンドといったベテランとの契約も打ち切り、有望な若手を集めて再建へと舵を切った。しかし、過去5年間のうち4シーズンはプレーオフ進出を逃し、昨シーズンはプレーイン・トーナメント進出さえ逃した。

そのブルズが昨シーズン中のトレードでニコラ・ブーチェビッチを獲得すると、今オフには『勝ちに行く』姿勢を見せた。昨シーズン終了後に「タレントをロスターに加え、成長して戻ってくる」と語った球団運営部代表のアルトゥラス・カルニショバスは、チーム改革のため躊躇することなく動いた。

ブーチェビッチとエースのザック・ラビーンを擁するロスターに、オールスター選手のデマー・デローザンを3年8500万ドル(約93億円)で、ロンゾ・ボールを4年8500万ドル(約92億円)、アレックス・カルーソを4年3700万ドル(約40億円)で加えることに成功した。

これで4シーズンぶりのプレーオフ進出は間違いないように思えるが、シャックの愛称で知られる元NBAのレジェンド、シャキール・オニールは新生ブルズについて「チャンピオンシップを勝ち取ることはできない」とコメントした。

「ブルズはウォリアーズみたいなことをしようとしている。4人のスモールプレーヤーが分散して走って、ザック・ラビーンが3ポイントシュートを打つ。それでロンゾがみんなを巻き込んでいくって感じかな。この試みが上手くいくと良いけど、あのチームでは優勝はできないだろうね」

シャックが言うように、ロスターを大幅に改善したからといって、1年でブルズがチャンピオンチームになるとは思えない。しかし、今のブルズに大切なことは、勝てないイメージを払拭して勝利の文化を植え付け、まずはプレーオフ進出を果たすことだ。