絶対的なサイズの差「多くのミスマッチを作り出せる」
バスケットボール女子日本代表は、本日オリンピックのグループリーグ2試合目でアメリカと対戦する。オリンピック6連覇中の女王は今大会も優勝候補の大本命だ。ともに今回が5度目のオリンピックとなる百戦錬磨のスー・バード、ダイアナ・タラーシのガードコンビがWNBAのスター選手たちをまとめ上げるチームは高さ、スピード、コンビネーションのすべてがトップレベルだ。今大会も初戦のナイジェリア戦に順当に勝利し、日本との2戦目を迎える。
「日本の戦い方は好きよ」と語るタラーシは、日本の印象をこう続ける。「ハードワークを遂行しないといけない。彼女たちの3ポイントシュート、速いペース、スペーシングに対応することが大事です」
アメリカの指揮官のドーン・ステイリーはNCAAの強豪サウスカロライナ大のヘッドコーチを長年務めている。同大は2017年に日本遠征を実施し、代表と練習試合を行った経験もあるなど日本のスタイルについて熟知している。
「日本戦は他の相手とは異なるチャレンジです。彼女たちはポゼッションで優位に立ってくる。ドライブからのキックアウト、そこからのエクストラパスに対して、特にディフェンス面での対応が大変です。そしてリバウンドをコントロールしないといけない」
ステイリーは日本バスケへのリスペクトを語ったが、「ただ、オフェンスにおいてはインサイドでは間違いなく多くのミスマッチを作り出せる」と、自分たちの強みには自信を見せる。
言うまでもなくアメリカのサイズは今大会随一だ。ナイジェリア戦の先発メンバーを見るとバード(175cm)とタラーシ(182cm)のガード陣も日本に比べると大きいが、フロントコートの3人はアジャ・ウィルソン(193cm)、ブリアナ・スチュワート(191cm)、ブリトニー・グライナー(203cm)と別格の高さだ。ベンチにはティナ・チャールズ(193cm)、シルビア・フォウルズ(198cm)が控えている。
明日の試合、日本はチーム全員で身体を張ってディフェンスをしても力技で決められてしまうこともあるだろう。ただ、そうなっても精神的に切れることなく、平面での激しいプレッシャーをかけ続け、リバウンド、ルーズボールを全員で取りにいく。フィジカルだけでなく、メンタル面でのタフさが今まで以上に問われることになるはずだ。
アメリカはナイジェリアに81-72で勝利したが、第3クォーターを終えた時点で20点の大量リードを奪いながら、第4クォーター残り3分20秒に10点差に詰められるなど、女王にもわずかだが隙はある。
金メダルを目標とする日本にとって、アメリカしかり、相手が誰であっても貪欲に勝利を狙っていくチームの1つでしかない。世界一のスピードバスケットボールが絶対王者にどこまで通用するのか大きな楽しみだ。