ピストンズ、ロケッツ、キャブズの方向性がカギに
日本時間7月30日に行われるNBAドラフトはピストンズが1位指名権を持ち、ロケッツ、キャバリアーズと続きます。昨年のドラフトは不作と言われましたが、それでもトップ3指名は活躍しており、チームの浮沈をかけた若手スターを見つけ出したいところです。どの予想サイトを見ても3人の顔ぶれは一致しており、紛れもないトッププレーヤーとして評価されています。
ケイド・カニングハムは1年前の時点で1位指名が予想されていましたが、オクラホマ州立大で平均20.1得点、6.2リバウンド、3.5アシスト、1.6スティール、フィールドゴール成功率43.8%、3ポイントシュート成功率40.0%というスタッツを残し、コンセンサスオールアメリカンファーストチームに選出され、この1年間でその評価を確固たるものにしました。
ビッグガードのカニングハムはポイントガードではあるものの、多彩な得点能力を持ち合わせているのが特徴で、アウトサイドシュートやドライブだけでなく、ポストアップでの得点もあり、オールラウンドに活躍できる選手です。1位指名権を持つピストンズは昨年にキリアン・ヘイズを指名しているものの、2人を並べたコンボガードスタイルにも順応できるため、彼を指名することが濃厚です。
対抗馬になるのがシューティングガードのジェイレン・グリーンで、同じくヘイズと並べることでエネルギー溢れるガードコンビとなります。グリーンは今シーズンから始まったGリーグ・イグナイトの育成選手で、NBA仕様のバスケットへの順応もスムーズにいきそうです。
そのGリーグでは17.9得点、フィールドゴール成功率46.1%、3ポイントシュート成功率36.5%と19歳ながらエース格としてプレーしてきました。得点能力ではカニングハムにも引けを取らないだけに、ピストンズが選択を変更する可能性もあります。その場合はカニングハムを指名した上で2位のロケッツとのトレードが発生しそうです。ロケッツはカニングハムを狙っているという話があり、ガードに若手スターを加えたいチーム事情とも合っています。
その一方で、再建の初期段階にあるロケッツはトレードバリューのあるクリスチャン・ウッドを放出し、ドラフトでビッグマンを指名する可能性もあります。そうなるとUSCの7フッター、エバン・モブリーも予想されます。
モブリーはUSCで16.4点、8.7リバウンドに加え、2.4アシスト、2.9ブロックを記録し、スピード、スキル、高さを兼ね備え、ポストアップからもアウトサイドのドライブからも得点する能力があり、チームの中核になれるセンターです。ビッグマンの価値が高まっている中で、タレントの多いガードよりも貴少とも言えます。ロケッツがモブリーを選ぶか、それともグリーンでガードを選ぶのかは予想が分かれています。
3位指名権を持つキャブズは、必然的にグリーンとモブリーの残った方を指名することになりそうです。モブリーを指名した場合はジャレット・アレンとの再契約がなくなるか、ケビン・ラブの放出を急ぐでしょう。グリーンを指名した場合はダリウス・ガーランドとのガードコンビが誕生し、積極的に動いているとされるコリン・セクストンのトレード話は加速します。あるいはロケッツがモブリーを指名した上で保持する23位指名権と24位指名権を使って、セクストンを手に入れる可能性もあります。
ドラフトにトレードが絡むのは毎年の恒例行事ではありますが、ロケッツとサンダーが1巡目指名権を3つずつ保持している事もあり、ロスター構成を考えたトレードが活発化するかもしれません。特にロケッツの動きは3位以下の状況を大きく変えるため、今ドラフトの注目チームになっています。