ダニーロ・ガリナーリ

チームは2004年以来のオリンピック出場、ガリナーリにはラストチャンス

この夏、アッズーリの快進撃にイタリア中が大盛り上がりとなった。アッズーリとはイタリア語で『青』を意味し、イタリア代表チームの愛称だが、この夏に大きな話題となったのはこの国で最も人気のあるスポーツ、サッカーだ。イタリア代表はヨーロッパ選手権で優勝し、2006年のワールドカップ以来15年ぶりとなるビッグタイトルを勝ち取った。

だがその裏で、バスケのアッズーリも快挙を成し遂げていた。セルビアで行われた世界最終予選で、圧倒的に優位とされたセルビア代表を決勝で破り、オリンピック出場権を勝ち取ったのだ。

この戦いにダニーロ・ガリナーリは加わっていない。彼はオリンピック出場を熱望しながらも、ホークスの一員としてNBAのプレーオフを戦っていた。出場権を勝ち取ってくれた仲間たちに感謝し、自分の代わりにロスターから外れる選手がいることに若干の後ろめたさを感じながらも、ガリナーリはNBAのシーズンが終わるとすぐにアッズーリに合流した。

イタリアは2004年のアテネ五輪で銀メダルを獲得したが、その後は3大会連続で出場を逃している。ガリナーリを始め優れたメンバーを揃えながら、黄金期となるはずの時期は敗戦続き。ガリナーリも2017年夏に、オランダとのテストマッチで相手を殴る事件を起こし、それで親指を骨折。その夏のユーロバスケットを欠場することになり、チームを裏切る結果となった。

この夏に33歳となるガリナーリにとっては、オリンピックでメダルを獲得するラストチャンスだ。「代表チームに戻ってアッズーリのユニフォームを着て、家族のような雰囲気の中に身を置くのは、いつだって最高だよ。家族の元に帰って来たように感じる。それはいつだってうれしいし、楽しいし、そして名誉だと感じる。オリンピックでプレーすることをずっと願ってきた。生まれながらにして抱いてきた夢だと言ってもいい。それが現実になった。本当に素晴らしいことだ」

セルビア代表との大一番では、来シーズンからフェネルバフチェでプレーするアキッレ・ポロナーラがキャリア最高とも言えるパフォーマンスを見せ、オリンピック出場を勝ち取った。「僕らはチーム一丸の結束力で、ベオグラードのファンの前でセルビアを破った。このチームなら何だって不可能じゃない」と彼は言う。もっとも、オリンピックではドイツ、オーストラリア、ナイジェリアと強豪揃いの『死のグループ』に入った。ここを勝ち抜くにはガリナーリの経験とパフォーマンスが必要となる。サッカーに続いてバスケでもアッズーリは快進撃を見せられるだろうか。ガリナーリの奮起に期待したい。