黄金時代を作ったパーカー、ジノビリにも感謝
現役時代にスパーズ一筋19年のキャリアを全うしたティム・ダンカンが、ケビン・ガーネットらとともに現地15日のバスケットボール殿堂入り式典に出席した。
登壇したダンカンは「今までで一番緊張する」と話し始め、スピーチを続けた。アメリカ領ヴァージン諸島セント・クロイ島の出身でるダンカンは、バスケットボールを始める前に水泳に力を注いでいた。彼の運命が変わったのは14歳の時だった。母親を亡くした年にバスケを始め、それから世代を代表するトップ選手への道を駆け上がっていった。
「僕の両親はバスケットボールの知識がゼロだった。それでも、誰よりもバスケについて教えてくれたのは、両親でした」と語ったダンカンは、スパーズ時代のチームメートについて話し始めると、特に黄金期を作ったトニー・パーカー、マヌ・ジノビリに対する思いを述べた。
「君たち2人がここに立つのを楽しみにしている。僕じゃなくてね」という冗談を挟んでから、「君たちと一緒にコートに立てたことは名誉だ。これまでのことすべてに感謝しているし、君たちとの友情、兄弟のような関係性、コートでの時間に感謝している」と続けた。
ダンカンを育てたスパーズ指揮官のグレッグ・ポポビッチは、教え子の晴れ舞台に出席するため、ホームでのサンズ戦で指揮を執らず、式典が開催されたスプリングフィールドに駆けつけた。
ダンカンは、スピーチの終盤になって客席から「ポップ!」とポポビッチについて話すよう促されると「彼について話すと怒られるから、あまり喋りたくないんだけど」と微笑んだが、「すみません、コーチ・ポップ」と話し始め、恩師への気持ちを言葉にした。
「コーチ、あなたは僕をドラフトで指名した後、ウチの島に来てくれました。そして僕の友人や、家族、父と言葉を交わしてくれましたね。それはごく当たり前のことだと思っていましたが、そうではありません。あなたは特別な人だ。僕にバスケットボールを教えてくれて感謝しています。また、バスケットボールがすべてではないことも教わりました。大事なのは、今この瞬間に世界で起こっていることであり、家族だということも教えてもらいました。感謝しています。素晴らしい人格の持ち主でいてくれて、本当に感謝しています」