アイバーソンがMVPに輝いた2001年以来、その時はNBAファイナル進出
セブンティシクサーズにとっては良いことばかりが重なった。現地5月14日、マジックとのホームゲームで122-97と快勝したことで、レギュラーシーズン1試合を残して東地区首位が確定した。カンファレンスで優勝するのはアレン・アイバーソンがMVPと得点王を、最優秀守備選手賞をディケンベ・ムトンボが、シックスマン賞をアーロン・マッキーが、そして最優秀コーチ賞をラリー・ブラウンが受賞した2000-01シーズン以来、実に20年ぶりの出来事だ。
ジョエル・エンビードは体調不良で1試合を欠場した後、ヒート戦に続いてこの試合で23分間プレーした。コンディション調整のために出場したようなものだったが、13得点11リバウンドを記録し、この時間帯にマジックのオフェンスをシャットアウトすることで勝利に貢献した。ニコラ・ヨキッチと事実上の一騎打ちになっていたシーズンMVP争いについて先日、エンビードは「受賞しなかったら気分は良くないけど、人生の出来事にはすべて意味がある。MVPを追い続けて燃え尽きていた2年前の出来事を繰り返したくはない。プレーオフに向けてコンディションを良くできるなら、それはポジティブだ」と、断念するようなコメントをしている。
だが、シクサーズのファンにとってMVPはエンビード以外にいない。このところどの試合でもそうであるように、エンビードにはMVPコールが送られた。そのコールはプレーオフになればさらに大きな声となる。フィラデルフィア市は今週、プレーオフからホームアリーナの観客を現行の2倍となる50%まで引き上げることを認めたからだ。
エンビードは「僕らはホームコートアドバンテージを生かして地区1位になった。ここではほとんど負けていないように感じる。第1シードを獲得したことは大きいよ」と言う。実際、シクサーズはロードの成績が20勝16敗と平凡ながら、ホームでは27勝7敗と圧倒的な強さを誇る。さらには最初の2つのシリーズでネッツとバックスを避けることができた。
5シーズン前は10勝72敗のチームだった。エンビードにとっては2014年にドラフト指名されて、2年連続で全休した2年目のシーズンだ。「すべてはあそこから始まった。そこから僕たちは進歩し続けて、ここまで来たんだ。自分たちが成し遂げたことには満足しているけど、まだ満足はしていない。ここからすべてを勝ち取りにいく」
今シーズンから指揮を執るドック・リバースは「我々の目標はあくまでプレーオフで勝ってチャンピオンになることだが、東地区で1位になったことを軽視しようとは思わない。我々のような若いチームにとってホームコートで戦うことはとても重要だから、達成感はある」と語る。
現地16日のレギュラーシーズン最終戦を終えると、チームは1週間の休養を経てプレーオフに臨む。過密日程で蓄積した疲労を抜き、コンディションを整えるのが一番だが、エンビードは「僕らのディフェンスはレギュラーシーズンを通じてずっと良かったけど、プレーオフになったらもう一段階レベルアップしているはずだ」と、この期間をただ休むつもりはない。
2000-01シーズン、アイバーソン全盛期の華やかなシクサーズは、NBAファイナルでレイカーズ相手に完敗を喫した。競争のレベルが急に上がった東カンファレンスを制したシクサーズは、今回どこまで勝ち進むことができるだろうか。